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8時半起床。たっぷり眠って健やかに目が覚めて「わ〜い、今日から観光!」とカーテンを開けると、夜の内に雨が降ったのか地面が濡れ、空も曇っていました。
「天気だけが取り柄(友人談)じゃ、なかったんかい」
「今日はどうする、ダウンタウンへ行く?」
「いや、晴れてないとゴールデンゲートブリッジがきれいに見えないという話だから、今日はモントレーへ行こう」
モントレーはサンフランシスコから南へ200キロほど行ったところにある街です。そこにはモントレー・ベイ水族館があり、水族館好きな夫は以前からチェックしていたのでした。
「そうとなったら、急いで支度しないと」
モントレーは遠いのです。
「何で〜?1時間もあれば行けるんでしょ」
「何言ってんのよ、2時間はかかるわよ。それに道も知らないし」
「えー、そんな遠いんだ。モントレーって」
ちゃんとガイドブック見ていないな>夫。
結局、車に乗り込んだのは10時頃。
「行き方分かる?ガイドブックに寄ると、I-280を南下して、Hwy.85を走り、サンタクララでCA-17に入ってサンタクルーズへ行き、ここからモントレー湾添いを走るCA-1でモントレーへ行く、って書いてあるけど」
「大丈夫だろ。じゃあ、まずは101フリーウェイをサンノゼ方面だな」
車をヴイッと走らせてフリーウェイに向かいます。サンノゼ方面は…。
「あった、あれだ」
標識を見て車線を変えます。…あ、あれれ…???気持ちよくフリーウェイを走っていますが。
「…道、これであってる?」
「あってるよ」
「……こっちって、サンフランシスコ方面じゃない?」
「え!あ、本当だ」
逆方面に行ってるよ〜。こんなんで大丈夫なのかー。無事にモントレーへは着けるのでしょーか??
頼りはガイドブックに載っている大雑把な地図のみ。そこにはもちろん、細かい道は書いてありません。
「だ、大丈夫なの?」
「任せなさい」
表示を見ながら車線を変えて、どんどん進みます。何しろ100キロ以上出しているので速いです。
「サンタクララ…あった、あれだ」
何とか正しい道に乗ったみたいです。夫、エライぞ!
「どれくらいで着く?」
「うーん、12時くらいかな」
お昼ですか…ご飯して水族館観て…もっと先の観光地まで行きたいのですが、間に合うでしょうか。
サンタクルーズを通り、地図上では「湾岸線」に入りました。しかし、海なんて全く見えません。しかもえらい細い一車線になったりします。
「モントレーって遠いね」
「飛行機で行くくらいだからね(サンフランシスコから45分)」
帰りも運転して帰ると思うと、げんなりしますね。しかしアメリカはフリーウェイが無料、自分で頑張って運転すれば、交通費が全く掛からないのです。日本だと高速料金が掛かってしまいますから、これは、やっぱり美味しいです。
「サンド・シティかあ、本当に砂ばかりね…」
外の景色の単調さに、車に乗っているのも飽きた頃、ようやくモントレーに近付きました。
「着いた、着いた!あれがフィッシャーマンズ・ワーフだよ」
お腹が空きました、まずはご飯を食べないとね!…と思っていたのに、何故か通り過ぎる夫。
「水族館と近いだろうから、水族館近くに車をとめてから歩いて来よう」
そ、その根拠はどこから…?果たして夫の予想に反し、そこは歩いてはいけない距離でした。
「フィッシャーマンズ・ワーフは夜にしよう。昼は時間がないから、簡単に済まそうよ」
ちぇっ〜。
水族館が見えました。しかし駐車場が分からず、通過。あれよあれよという間にパシフィック・グローブという地区まで来てしまいました。Uターンしないといけません。車ってこういうところが面倒です。
ようやく車を戻して駐車場に入れたのは、モントレー・ベイ水族館の横にある賑やかな海岸添いの通り、キャナリー・ロウの駐車場でした。
「わーい、ご飯、ご飯♪」
キャナリー・ロウはきれいで可愛いお店がいっぱい並んでいました。オフ期のせいか人は余り歩いていませんが、お店は開いています。海沿いのせいか、風がちょっと肌寒いです。
「何、食べようか…」
いくつか見ましたが、迷っていると遅くなるので、海が見えるというレストランに入りました。案内されたのは、まさに海が真っ正面の窓際の席。
「クラムチャウダーとねえ、シーザーサラダ」
クラムチャウダーはモントレーで絶対に食べたかったんです。夕食に本当に食べられるか分からないから、今食べておきます。あとは夫のリクエストでトマトソースのエンジェルヘアパスタをオーダーしました。食べきれないので、1つずつ頼んで、全部シェアします。
「あ、アザラシが死んでる」
見ると、目の前の浜辺にアザラシが打ち上げられていました。鳥につつかれていますが、ピクッともしません。
「可哀相だねー」
そういえば、この近くにはアザラシの群が住んでいるとガイドブックに書いてありました。
さてこのレストラン、料理は非常に美味しかったのですが、出てくるのが遅くてちょっとイライラしてしまいました。でも周りを見ると皆のんびり食べています。
「んー、セカセカしちゃ、いかんということだね」
と言いつつ、先を急ぐ私たちは食べ終わると早速、モントレー・ベイ水族館に向かいました。
水族館に入り真っ先に見たのは、何故かエビ。どうやらモントレー湾に棲む魚たちのコーナーだったようですが、いきなりエビかあ、という感じでした。
「あ、大きい水槽があるよ」
思わず貼り付く夫。やっぱり水族館といえば、こういう大水槽ですよね。この他、母親とはぐれたというラッコがいたり、深海魚の見られるコーナーがあったり、触れる水槽があったり、砂浜が再現されたところに鳥がいて間近で見れたり、いろいろと質問できる説明員のいるコーナーがあったりと、なかなか盛りだくさんの内容でした。
水族館を出たのは5時頃。
「どうだった〜?」
「シャチやイルカが舞い踊るのかと思っていたのに、なかった」
…それは、ガイドブックの反対側のページに載っていた、シックス・フラッグス・マリンワールドでは?あれはモントレーじゃないよー。
さて、と。日が落ちない内に、景色がキレイだという17マイル・ドライブを通って、カーメルという街まで行かないといけません。
「17マイル・ドライブは有料道路で、ここから1番近いのはパシフィック・グローブ・ゲートね」
「パシフィック・グローブって、さっき間違えて入ったところだよね」
と、ひとまずそちらに車を走らせます。標識があったのでそれに沿って行くと、道が二手に分かれていました。どうやら右はゴルフ場みたいです。で、左に進むと、17マイル・ドライブという道を発見!そこを海に向かって進みましたが、途中で道が分からなくなりました。
「あれー、通りの名前はあっているよね?」
「でも住宅街みたいよ、違うんじゃない」
…ひとまず戻ります。が、戻りすぎて水族館をこえちゃいました。時間がないというのに〜〜!イライラ。
「やっぱり、さっきのゴルフ場みたいなところじゃない?」
「行ってみる?」
ゴルフ場と思っていた道は、実際に行ってみると海岸沿いにずっと道が繋がっていました。そこを突っ走ってカーメル方面に向かいます。
「17マイル・ドライブは分からかったけど、ここもキレイだよね」
あー、でもやっぱり、せっかく来たんだから17マイル・ドライブ、見てみたいです。
17マイル・ドライブは見たい、しかしゲートは分からないので、とにかくカーメル方面に向けて走りました。
「もう17マイル・ドライブに入ってるんじゃない?」
「そんなはずないよ。だって有料道路だし、ゲートでは説明が載っているマップを貰えるって書いてあるもん…あ」
「…もしかして、あれ?」
突然目の前にゲートが見えました。これぞまさしく、探していたパシフィック・グローブ・ゲート!
こんなに遠かったんです。こりゃあ、分かるワケがありません。
ゲートでお金を払うと、カラー3つ折りのコースガイドマップを渡されました。海岸沿いを中心に21のビュー・ポイントが示されています。ビュー・ポイントはとても接近しているものもあるので、私たちはそんなに時間もないし、適当に飛ばしながら見ることにしました。
そんな中、特に気に入ったのは、少し離れた岩場にオットセイやアシカが寝そべっている「シール・ロック&バード・ロック」ポイントです。ここには写真のようなリス?のような動物もいて、これがまた全然逃げずに間近で見れて、可愛かったです。
17マイル・ドライブ地域内は、どうも超お金持ち別荘地帯のようで、ちょっと海岸を離れると立派な扉が並んでいて、それを見ているのも興味深いです。
「あれ?ローン・サイプレスを飛ばしたでしょ?」
あと少しで終わりという時に、私は見たかったポイントを通り過ぎていることに気付きました。
「マップの表紙になっているところだったんだよー」
時間がないのは分かっていますが、見れなかったとなると、どうしても見たくなり、ついごねてしまいました。
「じゃあ、すぐだから戻ろう」
とすぐにUターン。無事。降りて写真を撮れました。
「満足したかい?」
へへ、おかげさまで。
カーメル・ゲートに着き、私たちは17マイル・ドライブを出ました。
カーメル・ゲートを出ると、そこはすぐカーメルの街でした。
カーメルにはいわゆる観光名所というものはほとんどありません。あるのは、センスのいいブティックやギャラリーの並ぶ素敵な通り。まるでイギリスに来たかのような錯覚を覚えます。新婚旅行で行ったイギリスの湖水地方がちょうどこんな感じでした。
「歩こうよ!」
車を止めて散歩しました。時間は6時近く、そろそろ寒くなってくる頃です。
「金持ちの街って感じだなあ」
と夫。アメリカでは馴染みのない街並みに、ちょっと不機嫌みたいです。私は見て歩いているだけで楽しいですけどねー。
モントレーのフィッシャーマンズ・ワーフに戻りがてら、カーメル・ミッションと呼ばれる教会に寄ってみましたが、時間が遅かったためにもう閉まっていました。うーむ、残念。
「お腹空いてる?」
「あんまり…でも食べないと夜お腹空くよ」
1号線を通ると、あんなに時間をかけた17マイル・ドライブもアッという間でした。モントレー湾に車をとめると、レストランの並ぶ桟橋へ。6時半ですがまだ明るいです。
レストランの店先にはお店の人が立ち、呼び込みをしています。
「クラムチャウダー、飲んでごらん」
さすがフィッシャーマンズ・ワーフ、クラムチャウダーの試飲をさせているお店がありました。
「ここで良いか」
私たちはここで食事することに決め、2階にあがりました。蝋燭の明かりが良い感じです。私たちはクラムチャウダー(またかい)とロブスターテイルを頼みました。当然?シェアです。お腹が空いてないとはいえ、少なすぎるかな、と思いましたが、ロブスターテイルにはサラダとパスタが付け合わせでついていたので、小腹を満たしたかった私たちにはちょうど良かったようです。
「ロブスター美味しいね」
「うん。でも1皿とはいえ、時価を確認せずにオーダーしちゃう私たちって大胆かも」
わははははは。
食事を終えてレストランを出たら8時でした。これから車を運転してホテルまで2時間。ひゃー、昼間と違って暗いし、泊まりだったらどんなに良かったことか。
「ね、あれ見て」
駐車場に戻って車に乗ってビックリ。フロントガラスに薔薇の花が一本、飾られていました。
「何だ、あれ」
夫も驚いて薔薇を手にしますが、特にメモも何もありません。周りを見ましたが、私たち以外にそんな車はないようです。何のために、誰が?謎です。バックシートに薔薇を放って、私たちはフィッシャーマンズ・ワーフを後にしました。
暗い道をひた走ります。何しろ、先は遠いのです。
「アメリカの道路って暗いよね」
「うん、でも暗い方がかえって安全らしいよ」
「用心するから?」
会話を保とうとしたのですが続かず、30分ほどで私は寝てしまいました。疲れているだろうにその間、運転を続ける夫、申し訳ないッス。
目が覚めるとフリーウェイ、あと少しでホテルのある街でした。時間は10時前、時間通りです。
「どこで降りるか分かる?」
え。そういえば、夫はサンノゼ方面から運転して降りたことがなかったのでした。
「あ、フォスターシティってあるよ。あれじゃない?」
しかしそこはホテルのあるいつもの出口ではありませんでした。しかしどうせ同じ市内、しばらく行けばホテルがあるだろうと私は思っていたのですが。
「ダメだ、違った。分からない」
しばらく行くと夫はイライラして、またサンフランシスコ方面のフリーウェイに乗りました。
「市内と云っても広いから、出口が違うと分からないんだよ」
そんなものですか…しかし今度は行き過ぎたのか、気が付くとフォスターシティより先の街名が出ていました。
「もう通り越してたんだ!」
降りてサンノゼ方面のフリーウェイに乗って戻ろうとした夫ですが、入り口を逃して、街に入ってしまいました。フリーウェイからどんどん離れていきます。
「ここは曲がれない。完璧に迷った!」
疲れているのか、かなり焦ってイライラしているようです。どうせ車も少ないし道も広いのだから、スピードを落としてUターンすれば良いのに、と私は思ってしまいますが、夫はスピードをゆるめず突っ走っています。しかし、しばらく迷って再び入り口を見付け、サンノゼ方面のフリーウェイに乗れました。今度は通り越していないようです。
「あった、いつもの出口」
こちらからは慣れているので、すぐに見付けられました。ホテルに着いたのは10時過ぎ。迷っていたのは、10分くらいのようです。
「疲れた…」
お疲れさま、とぎゅー。あんなに焦っている夫は、久しぶりに見ました。やはり夜、知らない街を走るというのは、かなりのストレスなんでしょうね…危ない地域もあるし。
12時には倒れるように寝ました。明日はいよいよダウンタウンに行きます。

