8時起床。昨日のうちにキッチンとトイレ、お風呂掃除を終えていた夫は、今日は朝から部屋の掃除です。私はその間、洗濯と荷物準備。10時半には出たいね、と言っていましたが、何だかんだと車に荷物を乗せた時には、11時半を回っていました。
「間に合うかなあ?」
「間に合うよ。だって飛行機って4時でしょ」
「ボクは1時間早いんですけど」
うーん、それを見込んでも余裕だと思うんですけどねえ。
道路が空いていて、アッという間に成田。車を預けて、駐車場のバスで空港へ向かいます。
「ターミナルが違ったら、最悪ここでバイバイだね」
ええっ、何それ。満席で一緒の飛行機が取れなかったため、夫はノースウェスト、私はユナイテッドなのです。それってヒドイ、と慌ててガイドブックを調べました。
「…一緒みたいだけど?」
「そっかあ、新しいターミナルかなあ」
今、成田は直しているんですね。半分が閉鎖されていました。
早速、夫がノースウェストカウンターでチェックイン。荷物を預けたので、スーツケースがなくなりました。私が持っているのは、機内用のボストンバックのみ、荷物は預けない予定です。
「お腹空いたから、何か食べる?」
「私、2時集合だから、あと30分で食べられるところね」
「集合ったって、別に遅れたって良いんでしょ」
えー、でも2時にカウンターに来てください、って言われているのに。
「そんなにピリピリしなくても良いんじゃないの?」
「自分はチェックイン済ませたから、良いだろうけど、私は時間を守りたいだけよ」
「…」
いきなり険悪ムード。私、ピリピリしてる??でも夫だって、チェックイン間に合うか心配していたじゃない?
幸い、入ったレストランはすぐに頼んでモノが出てきたので、そそくさと食べて時間通りに私はチェックイン出来ました。チェックインを待っている間に周りを見ると、皆2人連れのようです。あああ、ヤダなあ。
保険の手続きをして、5万円をドルに両替。お金は全て夫に預けます。私が持っているのは、前回の旅行で残った11ドルだけ。ま、飛行中は必要ないでしょうけどね。
「そろそろ出国手続きをしよう」
「えー、まだ早いんじゃない?」
「混んでるから急いでって言ってたし」
夫の方が絶対にピリピリしていると思うンですけど。出国手続きが済むやいなや、そのままゲートに向けて歩きます。やっぱねー、焦っているよねえ、絶対。
「じゃあ、向こうでね」
夫のゲートは階段を下りた先だったので、私はそこでバイバイしました。引き留めても、夫は気が気じゃないでしょうし。
「じゃねー」
あっさり。泣くようなシーンじゃないですけどね。
「急に暇になったなー」
私は出発までまだ1時間以上あるので、適当に座ってポケッ〜。この旅行のために買った文庫本を早速取り出して、読み始めました。でも余り読んでしまうと、飛行機の中で暇になるので注意して。
ふ〜ん…。よく見ると、1人で時間を持て余している人は、結構いるんですね。私のように本を読んでいる人、パソコンをやっている人、何やらメモっている人…女性も少ないけどいます。外国人の方が多いかな。
「私はどんな風に見えるんだろう…」
夫の乗った飛行機は、もう日本を離れています。遠くに離れていく夫、それを1時間遅れで追う私の飛行機。何か、変な感じですねー。
そうこうしている内に、ようやく搭乗時間になりました。
私の席は窓際。真ん中が空いていて、通路席に座ったのは同い年くらいの男性でした。山ほど資料のようなものを持って、何か書いたり、パソコンのようなものを出して打ったりしています。
「日本の新聞を読んでいるから、日本人ね」
横目で見ながら思いました。出張でしょうか。それにしても、隣に人がいないから、ちょっと広々です♪
乗ってからずっと軽食の時間も、私は本を読んでいました。読み始めたら面白くて…でもさすがに食事の時間は中止。食事はチキンとビーフで、私はビーフを頼みました。
「ビーフはどうですか」
チキンを食べていた通路席の男性が、いきなり話しかけてきました。
「は?」
「ビーフはいかがですか。美味しいですか」
「……。まだ食べてないんですが」
私は機内食では基本的にパンやサラダ、デザートしか口をつけません。熱モノ?を食べると気持ち悪くなってしまうのです。
「えーと…(気まずい雰囲気)サンフランシスコは、観光ですか」<気を取り直して
「あ、そうです。夫が先に行って、待ってるんですよ」<別に釘差しというワケじゃないですが
「良いですねえ。僕は乗り換えてアトランタまで行くんですよ」
「大変ですね。お仕事ですか」
「仕事…ええ、仕事以外のナニモノでもありませんよ。…実は僕は○○スポーツ新聞のスポーツ部の記者なんです。アトランタでゴルフの取材がありまして」
「そうなんですかー」
この記者さん、喋ること、喋ること。この後、デスクがいかに人使いが荒いかから始まって、1日に3回の締め切りがある話、新聞は実は3種類発行されていて、それに合わせて原稿も直さないといけない話などなど、たくさん話してくれました。どれも知らないことばかりで、私には新鮮で面白かったです。
機内が暗くなると、会話もなくなり、それぞれ眠りにつきました。と言っても眠りは浅く、私は本の続きが気になって、途中で起きて読んだりしました。9時間の飛行、足がだるいです。
ようやくサンフランシスコ空港が近づいてきました。窓からは、キレイにゴールデンゲートブリッジが見えます。
「キレイですねえ」
と記者さん。着地まで、またひとしきり話をしました。
「やっと着いた〜!」
降りる時に私を前に入れてくれたので、記者さんと並んで空港内に入りました。まずは入国審査…と思いきや。
「サンフランシスコは荷物が先なんですよね」
皆、わらわらとターンテーブルに集まっています。
「あ、じゃあ、私は荷物預けてないので」
記者さんとはあっさりここでサヨナラ。もう会うこともないでしょう。親切な人でした。
真っ直ぐと入国審査に向かった私、ガラガラなのを見て、ラッキー!と思いました。ところが、荷物が少ないことを不審に思われ、審査直前に呼び止められてしまったのでした。
「あなた、荷物はそれだけ?」<ちなみにここから先、英語です
「そうです。夫が先の便で着いてるので、私の分の荷物も持ってくれてるんです」
「…(いかにも怪しそう、という目)お金はいくら持っているの?」
「え…11ドルだけです」<恥ずかしいな、これ
「仕事は何してるの?」
「(仕事?何でそんなこと聞かれるの?)えっとWebデザインしてます」
「デザイナー?!」<えらく驚いた感じ
そんな質問をしながら、私のパスポートや書類をわさわさ見る係の人。ひー、怪しまれてますぅ〜。
「ま、いいわ。行って!」
書類に何か書かれて、手渡されました。ほっ、これですんなり通れるのかも。
「荷物それだけ?どれくらいいるの?」
ところが入国審査のカウンターでも、また胡散臭そうに見られてしまいました。
「1週間です。夫が先の便で着いてるので、彼が私の荷物を持っているんです」
再び説明する私。
「便が違うの?何で?取れなかった?そんなことあるのかい??」
そんなこと言われたって〜。入国審査って、「わんうぃーく」「さいとしーいんぐ」「せんきゅー」で普通、済むんじゃないんですかー。えーん、荷物が少ない人がいたって、良いじゃないかー。
何とか判子をもらって、入国審査通過。続いて税関検査です。2人の人から、
「荷物それだけ?何日滞在するの?」
だ・か・ら〜、あうあう。そのくせ、
「果物持ってない?」
と聞く税関の人でした。荷物少ないんだから、果物なんて入らないって。ちょい、自棄。
スーツケースがないおかげで、あちこちで質問攻めにあってしまいました。こうなるんじゃないかとちょっとだけ心配していたのですが…荷物受け取りは入国審査の後だと思ってたんですよね。
何とかクリアしてロビーに出ると、夫が待っていて手を振って来ました。
「ぴー、スーツケースないから、大変だったよぉ〜」
「わははは。ちゃんと出てこれるか心配だったよ」
無事、合流。
「ノースウェスト、食事まずくてさ〜」
「ユナイテッドはまあまあだったよ。○○スポーツ新聞の記者さんとずっと一緒だったの」
「ふ〜ん。…それって女性?」
「男性」
さあて、今度はレンタカーしてホテルへ向かわないと。この時、朝の9時過ぎでした。
サンフランシスコ空港は現在工事中で、レンタカー屋さんまで行くには、無料のシャトルバスに乗らないといけません。バスで10〜15分ほど。これって、結構遠いです。
「レンタカーの予約は済んでいるから、すぐ乗れるよ」
ハーツの会員である夫、電光掲示板に名前と番号が乗っていて、その番号のエリアに行くと既に車が用意されていました。
「これでもう乗っていけるの?」
人を介さないで良いんですね、これは便利、合理的。いつものようにドアを開けて貰うのにドアの前で待っていたら、
「そっちは運転席」
と夫に注意されました。そうかあ、外車なんだ<?
「ホテルへの行き方分かる?」
「多分…これに書いてある」
渡されたのは、行き方が書いてある英文メールのプリント。私たちが予約したホテルは、北上したサンフランシスコ寄りではなく、10分ほど南下したフォスター・シティという街にあります。このあたりは友人の家も近いし、料金的にも手頃なのです。
「まずは101フリーウェイをサンノゼ方面へ…」
車は100キロほどのスピードでフリーウェイを走りました。
説明が良かったので、無事ホテルに到着。(途中、曲がる場所を間違えて、何故かスーパーの駐車場に入る、という失態はありましたが…。)荷物を持って、レセプションへ。時間は10時過ぎ、2時のチェックインにはまだまだの時間ですが、私たちは事前にアーリー・チェックインの要請をしていたので、すぐに部屋に入ることが出来ました。
「疲れた〜、眠い〜、お風呂入りたい〜」
荷物をソファに投げて、ベッドにごろん。
「着いたってSさんに連絡しなきゃ。電話番号分かる?」
「私の手帳に書いてある」
う〜、眠いです。午後からSさんと会って観光案内をしてもらう、なんて話をしていましたが、行けそうもありません。電話を終えた夫は、
「夕食を一緒に食べるのに、5時にここで待ち合わせした。それまでどうする?」
「寝る。シャワー浴びたいけど、浴びると目が覚めるから、起きてから入る」
そして2人とも爆睡…夫などは、3時半にセットした目覚ましがガンガンに鳴っているのも気付かずに寝ていました。
4時15分にハッと目が覚め、夫を揺り起こしました。
「シャワー浴びる時間がないよ〜!」
「ボクはいいから、めぐと急いで浴びなさい」
お言葉に甘えてシャワー。はあ〜っ、気持ち良いです。シャワーが固定式なのがちょっとですが、湯もいっぱい出るし、満足です。着替えが終わった約束の5時ちょっと過ぎ、友人のSさんが部屋に来ました。
「久しぶり〜」
春にこちらの会社に就職したSさんと会うのは、実に半年振りです。
「Mさんから連絡あった?」
「んにゃ、ないよ」
今日はこれから、Sさん、Mさんと4人で夕食です。Mさんに電話をして、ロビーで待ち合わせ。Mさんの車で101フリーウェイを南下し、パロアルトへ向かいました。
「何食べるの?」
「中華料理。チャーハンが美味しいんだよね」
ふーん。途中、フリーウェイからサン、ネットワークアソシエイツ、オラクルなどの本社が見えました。さすが、シリコンバレー。
「パロアルトはある程度収入のある人が住んでいる街でね、子供たちの将来の夢が『パロアルトに住みたい』だったりするんだよ。成功した人間になる、という意味だね」
ほほぉ。
「でも同じパロアルトでも、イーストパロアルトは危ない。車で通るのは良いとして、停めるのは怖い。アメリカは、本当に通り一つ挟んで、危ない地域になるからね」
見るとすぐ分かるよ、と言われ、近くを通りました。
「まず停まっている車がボロいでしょ。あと窓に鉄格子が入っている」
ふむむ…まじまじと見てしまいました。
中華料理でお腹いっぱい。ついつい頼みすぎてしまうんですよね、でも残った物はお持ち帰りです。ホテルに冷蔵庫がないので、これはSさんの手に渡りました。
「まだ時間早いし、どんな暮らしか見るのに、私の家に行ってみますか」
とMさん。アメリカ生活を見るのは初めてなので、お邪魔させていただくことにしました。
Mさんはアパートの一室を購入しています。行って驚いたのは、まず駐車場が日本のように誰々の場所、というのが決められていなくて広いです。3、4台持っていても、置く場所には困らないでしょう。
「あ、靴はそのへんに脱いでね」
ドアを開けると、玄関マットのようなものが敷いてあって、そこに靴が並んでいました。なるほど、アメリカだから土足、つまり玄関がないのですね。
「広いですねえ」
リビング、とても広いです。しかも家具のセンスが良く、居心地も良さそうです。
「こちらがキッチン」
キレイです、しかも広い!食器乾燥機とオーヴンはデフォルトで付いているようです。
「ここがクリーニングルーム」
大きい洗濯機と乾燥機が、どんと置いてありました。
「これは備え付けのものですか?」
「あ、これはね、前の住人と交渉して、置いて行ってもらったんですよ」
はあ〜、かなり良さそうな立派なモノです。
「ここが仕事部屋で…」
ここも広い。こういう1ルームに住んでいる人が、東京にはたくさんいるでしょう。(私はそうでした…。)
「で、ここが寝室。そっちがバスルーム、そこはウォーク・イン・クローゼット」
うわー、寝室だけで我が家のリビング以上の広さです!しかしここはプライベートルームなので、そそくさと退散しました。さすがアメリカねえ、ドアの奥には広い空間があるのだわ、と感心していたら、今度は反対側に歩いて、
「こちらがゲストルーム」
ま、まだ部屋が。これが噂の2ベッドルームというヤツなのですね。これ以外にも、使われずに物置状態の小部屋もありました。もう、むちゃくちゃ広いです、感動です。
「賃貸でお金払っていくのがばかばかしくなっちゃってね」
その後、アメリカの税金や預金の話をしました。アメリカは税金が3〜4割と高いので、かなり関心が高いようです。それにしてもこれくらい広いお部屋で、いくらくらいするのでしょう。日本だったらちょっと買えないでしょうねえ。
「あ、ケーキの本」
男の人にしては珍しい本が棚にありました。
「実は好きなんです」
へえ〜…。
「オーヴンあると、ケーキとか作りたくなりますよね」
と夫。おいおい、ホントかい。
9時にはホテルに送り届けてもらいました。はあ、疲れた。長い1日でした。
ところで、何気につけたTVでタッキー発見!!
「魔女の条件やってるよ〜」
吹き替えかとドキドキしてみたら、日本語でした。日本語放送があるんですね。CMが面白く、在住日本人向けのもので、「海外引っ越しは××」とか「日本食スーパー○○」とか日本語でやっていました。この番組の後には、ヘイ!ヘイ!ヘイ!もやっていました。
でもメラトニンを飲んだ私は、11時過ぎにはもう夢の中だったのですが…。

