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イギリス 1997/09 :9月06日(土)

1997年9月 6日

2時のブリティッシュ・エアウェイに乗るために集合は12時。着いたのは、夫の「車が混むかもしれないから、早く行こう」の言葉で、11時でした。眠い…昨晩、寝たのは結局3時でした。(しかも夫は「荷物詰めはやるから、先に寝なさい」と言ってくれていたのです。)

集合時間には早いので、お金を12万、ポンド・トラベラーズチェックにして、夫の強いすすめで、保険に入る手続きをしました。手続きは、プロフェッショナルなお姉さんでアッと言う間だったんですが、保険料を3万近く現金で要求されて、あたふた。保険手続きにはカードを使えません、気を付けて下さい>これからされる方。
そろそろ時間なので集合場所に行こうかと思ったら、何と放送で夫の名前が呼ばれました。???と思ったら、さっき手続きした保険の証書をまるごとカウンターに置きっぱなし(笑) 最初からこんなんで大丈夫なのかー>夫。

さて、BAのチェックインカウンターは長蛇の列でした。(それでも早く並んだ方。)何というか、要領が悪いんですよね〜、チェックインでこんなに待たされたのは初めてですよ、ホント。
さらに、飛行機の中はめちゃくちゃ寒かったです。シベリア上空を約11時間の旅だったんですが、夫も私もこれでハナぐしゅになってしまいました。映画を3本やってくれたのは良かったんですが、これが驚いたことに字幕で(笑)、人の頭で文字は全然見えませんでした。(でも「ボルケーノ」と「エビータ」面白かったです。)トイレはとっても広くて良かったんですけどね。
飛行中、ダイアナ元妃の葬列時間になり、2分間の黙祷をしました。ここらへんはさすが英国航空?

バスへろへろになってロンドン・ヒースロー空港到着。入国審査をすませ、到着ロビーに着くと、そこには「ホテル予約」の文字が。7時なのに、まだ空いてる!今晩の宿をまだ予約していなかった私たちは、早速カウンターに行きました。
ダイアナ元妃の葬儀でホテルはいっぱい、と聞いていたのですが、あっさりと予約取れました。どうやら、今日になってぼろぼろ空き始めたらしいです。前日着だとマジに野宿だったかも。危ない、危ない。

ホテルも決まって安心して、コーチの2階先頭に乗って、一路ロンドン市内へ。
どんどんと都会になっていく感じが実に良かったです。ホテル最寄り駅のラッセル・スクエア(大英博物館のそば)に着いた時は、もうすっかり夜。(8時くらいでしたが。日没は7時半くらいかな?)こっからホテル捜して、スーツケースをゴロゴロ。しばし迷いましたが、何とかホテルにチェックイン出来ました。

「お腹は?」
「ちょっと空いてるかな。」
「じゃ、食べに行く?」
うん、でもその前にちょっと…とベットに横になったら、爆睡。ダイアナ元妃の葬儀をTVで観ていたはずの夫も爆睡。気が付いたら12時でした。眠くて死にそうでしたが、洋服を着たこのまま朝まではまずい、と思い、夫をたたき起こして
「ちゃんと、寝よう!」
と言いました。せめて、顔を洗って歯磨きくらいは…。「歯磨きなんていいから、寝かせてよぉ」という夫を無理矢理に洗面台へ。

ホントは寝る前にシャワーを浴びたかったんですが、時差ボケでそれどころではなく、2人ともそのまま寝ました。ロンドンに着いたら、オックスフォードの友人に電話するって言っていたんですが…ごめん!>友人 この眠さは、半端じゃない…。

イギリス 1997/09 :9月07日(日)

1997年9月 7日

荷物預け所時差ボケのせいか、早く寝たせいか?、6時に目覚めスッキリの私。先にシャワーを浴びていると、夫も起きていました。お互い、爆睡しちゃったねえ、ははは。

9時にはホテルを出て、タクシーを拾い、ヴィクトリア・ステーションへ。
ここで荷物を預け、オックスフォードの友人に、5時半にはそちらへ向かってバスに乗る旨を電話して、歩いてバッキンガム宮殿の観光に行きました。

ロンドンは、ダイアナ元妃への半旗があちこちにありました。バッキンガム宮殿の前は、ニュースで見ていたように花束がぎっしり置いてあります。ウィンザー城の修復費確保のために特別公開されている、バッキンガム宮殿内の見学は、今日もやっていました。(ダイアナ元妃葬儀で休止かと思っていました。)
チケットを買って、すぐに中を見学。「あった方が分かりやすいだろ」と夫が言うので、ガイドブックを買って、それを見ながら巡りました。なかなか、広いです。当たり前ですけど。

花束その後、地下鉄+バスの1日パスを買って、ウエストミンスター寺院へ行きました。中の見学は出来ませんが、周りはダイアナ元妃あての花束やメッセージがすごい数あって、多くの観光客?がひしめいていました。
記帳はここで出来るのかと思っていたのですが、それらしき場所が分かりませんでした。うーん、ここじゃなかったのかな??

お昼はピカデリー・サーカス近くの中華街でしました。やっぱり良いですね、アジアの味は(笑)
オックスフォード・ストリート、ボンド・ストリートとぶらぶら歩いて、久しぶりのロンドンを満喫。夫も私も8年振りくらいです。

トーテナム・コートまで行ったついでに、大英博物館を見学。しかし、ここは工事中で、かなり観れるものが制限されていました。私が以前、来た時は、日本のところが確か工事中だったんですが…。
お気に入りの絵を数枚捜して観て、5時にオックスフォードに行くためにヴィクトリア・ステーションに戻りました。

「今から行くよー」と友人に電話して、5時半にコーチ(バス)に。「1時間半くらいで着くよ」と聞いていたのですが、超渋滞で全然進まず、何と着いたのは8時半!!友人が夕食を作って待っているのに〜。

collegeバス停から電話して(友人ではなく、彼氏のオランダ人が出た。ううう、英語だぁ(笑))タクシーで Wolfson college へ到着。入り口で友人とさっきの彼氏が待っていてくれました。感動の再会!
早速、友人が取ってくれた大学寮のゲストルームに案内してもらいました。

「ベ、ベットが乱れている…。」
2つあるベットの1つが、明らかに使われた後でした。さらに、1つしかないバスタオルも…。
「これって、ベットメイクされてないよーな?」
慌てて友人が聞きに行ってくれたところ、週末はメンテの係の人が休みなので、自分でやるようになっているとか。さすが、学生寮!綺麗なバスタオルやベットメイク一式を友人がでかいビニール袋に入れて持ってきてくれました。
ま、安いし、清潔だし、シャワーは我が家より近代的?だし、冷蔵庫もあるので、文句を言ったら罰が当たるってもんでしょう(笑)

夕食は、友人の作ってくれたパスタとデザートのパイを、友人の彼氏のとこで食べました。これがすごく美味しかった。(夫などは、イギリスで食べた中で唯一美味しいと思ったのはこのパイだ、とのたまったほど(笑))
ただ会話をすべて英語でせねばならなくて…友人と私たちは日本人ですが、友人の彼氏は日本語が分からないので。、結構、疲れました。妙に無口な私。(夫がいっぱい話してました。)そういえば、英会話に行こうと思っていたのに行かなかったんだよなあ、う〜ん、行っておけば良かった。

疲れてるでしょ、ということでお茶を飲んでお開き。部屋に帰ってベットメイキングして、10時半には床につく私たちでした。やっぱりまだ時差ボケがあるのかな?

イギリス 1997/09 :9月08日(月)

1997年9月 8日

朝は友人に用意してもらったシリアルを食べた私たちは、のんびりと10時頃に友人が勉強している彼氏の部屋へ行きました。彼女はいつも彼の部屋のMac(オランダ語ヴァージョン!)でレポートを書いていて、運悪く今日は、明日提出するレポートの追い込み中なのです。(残念!)
「一緒に行けなくて、ごめんね」
と言って、たくさんのアドバイスと、大きい地図の方が分かりやすいだろう、と彼氏のオックスフォードの地図まで貸してくれました。(ホントに感謝、感謝!)

ガイドブックに載っている場所も良いけど、カレッジの裏から公園に続く道がキレイだよ、ということで、天気も良いのでアドバイス通りに川添いに歩いてみることにしました。

緑これが、まあ、土地が余ってるなあ(笑)と思うほどの、草原。私たち以外に歩いている人もいなくて、本当にのんびりと緑を楽しんで散歩してしまいました。
途中寄る予定だったユニバーシティ・パークへの橋が公園閉鎖で閉まっていたので(友人に聞いたら、閉まっていたことは過去に全くないらしい…何があったのかしら?。)、大回りして、馬がいるパーク・ファームへ。ここでは鶏の卵とか売っていたみたいです。

それにしても、陽射しが暑いです。ようやく繁華街の近くまで来た時には12時になっていたので(よく歩いた(笑))、友人に薦められていたキングズアームというパブで食事をしました。ここは、日本の皇太子も来たらしい?です。
繁華街に向かって歩き始めたら、移動遊園地を発見!その賑やかさと珍しさに、思わず奥へ奥へと歩いていってしまい、気が付いたら繁華街のはずれに来てました。
ようやく繁華街に戻り(えらい歩いた!)、メインストーリーを通って(いろななお店を見ていたら、足の痛みも忘れました)、ガイドブックにも載っているラドクリフ・カメラへ。
続いてエグゼター・カレッジ、マートン・カレッジと見学して、オックスフォード1の観光地?クライスト・チャーチを観ました。このへんで、足の痛みが疲れでピーク。私はベンチに座って、夫に足を揉んで貰ったりしました…イタイ。

ここで「手持ちのお金がないから、トラベラーズ・チェックを現金に換える」と夫が言い出して、銀行に行きました。時間は5時。銀行が閉まるギリギリの時間です。
何とか見付けてセーフ!と思ったら、何と夫がトラベラーズ・チェックを部屋に置き忘れてきたことが判明。どうするんじゃい、と思っていたら、偶然5時半までやっている銀行を見付けました。急いでタクシーに乗って取りに戻れば、間に合う時間です。
「行く?」「うん」足の痛みをおして急いでタクシー乗り場へ。取って帰った銀行では「アメックスなら手数料がかからないよ」と別の場所を教えられ、またまた歩く羽目に。
アメックスは6時までやっていたので、現金化は何とか出来ましたが、足が痛くて、私は「もう歩けな〜い」とご機嫌斜めになってしまいました。歩き疲れたよ〜。よく考えたらパブに入った以外、朝からずっ〜と歩き通しです。
でも、私にはまだ行きたい場所がありました。それは友人が紹介してくれたサウス・パークです。その公園から見たオックスフォードの街(公園は丘があって高くなっているのです)の絵はがきがとてもキレイで、ぜひ私も見たいと思っていたのです。

しかしそこは繁華街からは離れたところにあり、足の痛い私たちはバスを使わなければとてもいけない場所でした。でも私たちにはバスの路線が全然分かりません。バス停を見ても、どこに行っているのやら全く分からないのです。
「明日の朝にしようか?」←夫も疲れていたのでしょう。
「今日、見たい」
「んー、じゃ、ツーリスト・インフォメーションでバスの路線について聞こう」
えー、またインフォメまで歩くの〜?バス停は繁華街の、この目の前にたくさんあるのにー。でも仕方なく歩きます。

「終わっちゃった…」
インフォメに着いたのは6時ちょっとすぎ。今、まさに6時営業終了でドアが閉められたところでした。せ、せっかく来たのに…。
夫がトラベラーズ・チェックを忘れてさえいなければ間にあったのに、とちらっと思いましたが、そんなことを言ったらケンカになるのが明らかだったので言うのをやめました。それに夫からしたら、めぐがもっと早く歩いていたら〜、という思いもあるでしょうし。お互いに済んだことで言い合いをしても仕方ありません。

「ねえ、明日にしようよ?」←夫はかなり疲れていたらしい。
「でも…今日、見たいの」←頑固な私。
「何で?明日でも良いじゃん?」
「だって…明日もこんな良い天気とは限らないもん」
「…」
日没まではまだ間があります。こんなに晴れたオックスフォードが見れるのは、今日だけかも知れません。

また繁華街に戻ってきました。けれどやはりどのバスに乗れば良いのかは分かりません。「運転手さんに聞いてみたら?」
教えてもらったバスは10番。しかしそのバスに乗る前に運転手さんに確認したら、サウス・パークにはいかないと言います。
「サウス・パークならA7バスだよ」
A7のバス停を捜して並び直します。やっと正しいバスに乗れそうです。(バス1つ乗るのにこんなに苦労するなんて)ようやくA7バスが来ると、バス停のずっと手前で止まってしまいました。
「ちょっとー。何ナノ〜?」
と走ってバスに駆け寄ると、無情にも運転手さんは私たちに「違う」というような合図をして、バスを走らせて行ってしまいました。な、なぜ?乗車拒否??ちゃんとA7バスだったよー。もしかして、私たちはもうサウス・パークには行けないの?
バス「やっぱり、もうやめようか?」
「あ、交差点にお巡りさんがいるよ。聞いてみたら?」←あくまで行きたい私。
「サウス・パークに行きたいんですが?」
「だったらA7バスだよ」
「でも、さっき、乗ろうとしたら乗車拒否されたんです」
「そんなはずはないよ。サウス・パークはA7バス。ほら、ちょうど来てる」
見ると、バス停にまたA7バスがとまっていました。お礼もそこそこに走る私たち。

念のために乗る前に確認をしてみました。
「サウス・パークに行きますか?」
「行きますよ」
「(内心ホッ)どこで降りたら良いでしょう?」
「教えてあげるよ」
ようやく乗れたねえ、良かった、良かった。ぱらぱらと席が空いていたので、後ろの方の席に夫と2人で座りました。これでようやく、サウス・パークに行けます。それにしても、さっきの乗車拒否バスは何だったんでしょう?
「あ、ほら、あれがサウス・パークじゃない?」
見ると、緑の芝生が一面に広がった空間が見えました。キレイ、キレイ!だんだんとバスが近付き、サウス・パークと書かれている看板も見えました。おお、やっと来たんだねえ。

しかし、運転手さんは降りろと合図してくれません。
「広い公園みたいだから、もっと先に入り口があるのかもよ?」
「そうだね、見たいのは高い場所からの街だしね」
それを証明するかのように、バスは坂をぐんぐんと上っていきます。しかし、5分も上ると、公園の緑は全く見えなくなってしまいました。さすがに、これはおかしいのでは、と不安になってきました。
「もしかして、忘れちゃったのかなあ…」
「次の停留所で止まったら、聞いてみようよ」

「あの、サウス・パークに行きたいんですが」
「ああっ、ごめん、忘れちゃったよ」
やっぱり…。しかし運転手さんは、ちょうど反対車線を走っていたバスに合図して止めさせ、無線で事情を話して、私たちを乗せてくれるように手配してくれました。そして、何とそのバスの運転手さんは、停留所でないサウス・パークの入り口の前に、バスを止めてくれたのでした。
「どうもありがとう!」
ようやく、念願のサウス・パークにたどり着くことが出来ました。

公園そこは一面緑の芝生で、ほとんど人もいませんでした。遠くで犬が元気に駆け回ってます。疲れた足で丘を上り、ベンチに腰をかけました。遠くにオックスフォードの街が見えます。何か、絵はがきで見た光景とは違うようでしたが、そんなことはもうどうでもいいことになってました。日没が近いのか、遠くの空がオレンジ色に見えました。
「疲れたね〜…」
「うん…」
しばし、惚ける私たち。日本は今、何をしてるのかなあ。何だか、不思議な気持ちです。
「…ハナかむから、ティッシュちょうだい」
「。日が落ちて寒くなる前に帰ろうか?」
夫のハナぐしゅがひどくなってきました。かくいう私も、ちょっとハナ風邪気味です。昼間は暑かったのに、日が落ちると寒くなるんですよねえ。

カレッジに戻ってきたのは、8時くらい。友人が料理を作って待っていてくれました。(うー、感謝、感謝。)今晩は、友人の彼氏が用があるということで(実は気を遣ってくれたのではないかと思っています)、彼女の部屋の方で食事をしました。
ブロッコリーやソーセージのいっぱい入ったグラタン+デザート。とっても美味しかったです。ハチミツを入れて飲む紅茶もGOOD!

日本語なので、いろいろカレッジでの生活の話を聞きました。驚いたのは、寮がただではないということ!1日に3ポンド(600円くらい?)の家賃を払っているんだそうです。学費はもちろん別です。
「だから休みになると引き払ってしまう人も多いのよ」
へえ、そうなんだぁ。何か、1日幾らと言われるとシビアな感じです。
「今日はレポートなんて書かなくてはいけなくて、一緒に行けなくて残念だったわ。すごく天気が良かったでしょ?珍しいのよー、最近はずっと雨や曇りだったんだから。ついてるわね!」
よ、良かった…。明日の9時までにレポートを仕上げなければいけない彼女は、この後、勉強に戻りました。やっぱり、大変ですねえ…。

それにしても、夜になって寒くなり、私もくしゃみとハナ水がとまらなくなりました。すっかり2人して、風邪っぴきです。

イギリス 1997/09 :9月09日(火)

1997年9月 9日

くしゃみとハナ水が止まらない私たち…持ってきていたポケットティッシュ約10個はアッと言う間になくなり、しまいにはトイレットペーパーでハナをかむはめになっていました。
「うー、このままじゃまずいぞ」

チェックアウトは10時だったので(と言ってもホテルじゃないので、メンテナンスの人が来るまでは自由…しかし、私たちの場合は10時きっかりにノックされました)、それまで部屋でのんびりして、その後、友人の彼氏の部屋へ。今日の朝食は、ここで友人がイングリッシュ・ブレックファストを作ってくれることになっていました。
「レポートは終わった?」
「うん。さっき出してきたところ。昨日は3時まで掛かっちゃったわ」
がーん。私たちなんて、11時くらいには寝ちゃったのに。
「一応、一通り作ってしまうから、食べられなかったら残してね」
そう言って作ってくれたのは、カリカリのトースト、目玉焼き、ベーコン、ソーセージ(これがあまり美味しくなかった。日本と違って肉が少ないのかな?友人は小麦粉が入っているんだろうと言ってました)、ケチャップで煮た豆(ホントはこれをトーストに乗せて食べるそうですが、私たちはパスしました。)。

朝食を食べながら昨日の観光の話などをして、彼女から結婚祝いとして銀の燭台(キャンドル・スタンドですね)を貰いました。
「これでロマンティック・ナイトを過ごしてね」
きゃー、嬉しい!ありがとう>友人。
一緒に写真を撮って、教授とレポートの件で面接があるという彼女に、荷物を預かってもらい、私たちはまたオックスフォード観光をすることにしました。(ティッシュを買わねば〜。)繁華街までのバスでの行き方を聞いて、ひとまずバイバイ。彼女には、ホントーにお世話になってしまいました。

繁華街に着いてバスを降りて数歩に「オックスフォード・ストーリー」という建物を発見!地球の歩き方によると「800年にも及ぶオックスフォード大学の歴史を再現したもの。座席が音響効果や臭いまで取り入れた展示の中を通り過ぎていく。歴史ばかりでなく、現在のカレッジの姿も見ることができる」テーマ・パーク大好きの私が足を止めない訳がありません。
「見たいの?」
「見たい!」
チケットを購入したら12時15分からと言われました。ありゃ、ツアーか何かなのかな?今、11時半。うーん、何とも中途半端な時間です。
「あと博物館が見たいんだっけ?>夫」
「うん。でもゆっくり見たいから、その前に買い物を済まそう」

何を買うか?もちろんティッシュに決まっています。繁華街をず〜っと歩くと、ブーツ(日本でいうマツモトキヨシかな)があったので、中に入りました。ぐるぐる店内を歩き回りますが、よく分かりません。日本と物の並べ方が微妙に違うんですね。
「普通、トイレットペーパーとかティッシュってすぐ分かる場所にあるのにねえ」
「他に雑貨屋さんってあるかなあ…」

仕方がないので又しばらく繁華街を歩きます。
「早く思いきりハナをかみたいねえ…」←情けなし。
小さなお店がごちゃごちゃと固まっている屋内マーケットを見付けました。ここなら、ありそうな感じ!

しかしあるのは食材ばかり…うろうろと探し回る私たち。諦めかけたところで、小さな入り口の雑貨屋さんらしきお店を見付けました。入って見ると、ビンゴ!入り口のすぐ横にティッシュが山積みされていました。
持ち歩くのに不便にならない程度の大きさのティッシュを選び、お金を払おうとレジを捜すと…あ、ここってさっきのブーツだ。
どうやら裏口がマーケットと繋がっていたようです。こんな奥にティッシュが置いてあるとは、さっきは気付きませんでした。ティッシュを手にして安心したので?、レジの途中にあった風邪クスリも買うことにしました。
「喉だけのクスリはあるけど、鼻炎だけのはないねえ」
「これで良いんじゃない?普通の風邪クスリ」
「ビタミンCも入っているようだしね。」
ハナをぐすぐすさせながら、ティッシュと風邪クスリを買う…誰が見ても風邪ひいてるって分かりますね。

時間になったので、オックスフォード・ストーリーに行き見学、その後、夫が楽しみにしていたオックスフォード博物館(昨日はお休みでした)に行きました。そうこうする内に、1時半。お昼は、朝ボリュームのある朝食をご馳走になったのでお腹が空かずパスすることにしました。(食費が浮いた(笑))
タクシー乗り場に行く途中に、ちょっとしたタワーを発見。お金を払って狭い階段を上ると、それなりに高い屋根の上に出ました。(観光用に改造したって感じでした。)
オックスフォードの街を高いところから眺め、これで最後だね、と話して。友人ももうすぐ卒業してしまうし、今度イギリスに来ることがあっても、ここを訪れることは多分ないでしょう。そう思うと、いやに去りがたい気持ちが…でも、もうバスの時間です。

タクシーでカレッジに戻り、タクシーを待たせたままなので、慌ただしく友人と別れの挨拶。荷物をもらって、そのままロンドン行きのコーチバス乗り場まで行きました。
たまたますぐ発するバスがあり乗車。ロンドン行きはガラガラでした。こうして私たちは風邪っぴきのまま、一路ロンドンへと戻るのでした。

ロンドンまでは天気が良くてバスの中が暖かく(というか、かなり日に焼けるくらい暑かった。)、2人ともぐっすり眠って過ごしました。やっぱり疲れてるんですねえ。
ビクトリア・ステーションに着いて、まずは大きな荷物を預け、B&B(ベッド&ブレックファスト。民宿よりちょっとホテル寄りって感じのイギリスの安ホテルのことです)探しに出掛けることにしました。その日の宿が決まらないと、落ち着いて行動することが出来ませんからね。
安いB&B街を知っている、という夫の言葉に従って、駅の裏側までずっと歩きました。確かに、通りにはずらっとB&Bが並んでいます。はて、でも、どこに泊まれば良いのやら?
「こういうのは部屋を見せてもらってから決めるんだよ」
私は泊まったことがないのですが、夫は前の旅行でさんざん泊まっているので慣れているようです。お任せすることにしました。

良さそうな(と言っても、入り口だけじゃ全然分かりませんけど)B&Bを捜しては片っ端から中に入り、部屋を見せてもらって値段交渉をします。
「£52かぁ…」
夫はどうやら£40(8千円くらい)にしたいようです。しかしいくつか見ましたが、そこまで安いB&Bはありません。空き室とあるのに、実際は満室のB&Bさえまだ5時過ぎだというのにあります。
「あっちの通りに行ってみようか」
「まだ見るの…?。」
私は少々、疲れてきました。かなり歩いたし、B&Bはエレベーターがないので、上の部屋を見るのに階段を上ったりしたからです。そんな見ても変わらないのになあ、もう決めたいなあ、と思っていた時。
「あ、あれは?」
角を曲がったところに、お花がいっぱい飾ってあるB&Bがありました。何だか、可愛い感じです。
「えー、何か、怪しい感じだなあ」
しぶる夫をつついて、中に入りました。

中では、オーナーが電話で予約を受けているところでした。どうやら、相手は日本人のようです。「うーむ…日本人が電話で予約を入れてくるってのは…もしかして」
空いているのは一つだけ、1F奥にある部屋でした。値段は£60。中を見せてもらうと、ファミリー用の部屋らしく、ベッド3つと、驚いたことに部屋に直接シャワー(シャワーカーテンで区切ってるだけ)が付いてました。トイレがありません。

シャワー「トイレは、上だよ」
「え…共同」
私の絶対条件は部屋にバスルームが付いていること、だったんですね。オーナーはそれを察したのか、すかさずこう言いました。
「でも、とても清潔だよ」
夫を見ると、面倒臭くなったのか「ここに決めよう」と言い出しました。おいおい、高いんじゃなかったのかい。でも、ま、夫が良いというなら良いか。結局、この部屋に決めました。

ところがトイレが上の「上」は、一つ上の階じゃなくて、何と3つも上だったんですねー。くー、ってことはよく考えると、シャワーの後の寝る前や、夜中にトイレに行きたくなった時に、パジャマ姿でとか行けないワケ?いちいちジーンズにはきかえたりとか?小さいけどフロントの前、通るし…外と繋がってるから誰が入ってくるか分からないし…し、失敗したぁ。そんなことを考えたら、急に何か不安になってきました。こういう安ホテルに泊まったのも初めてだし…。←ユースの経験はあります。
「トイレ、どうしよう…」
と言っていたら、夫はホテルの選択が悪い、と言われているように感じたのか、
「責める〜」
と言い出しました。別に夫を責めているワケじゃないんだけど。私もOKしたんだしね。考えが浅かったなあ…って。

「じゃあ、預けた荷物を取ってきて、明日のチケットを確認して、洗濯に行こう」
そうそう、泊まるとこが決まったからと言って、まだのんびりしてはいられないのでした。

荷物を取りにビクトリア・ステーションへ。B&Bを探している時は何気に歩いてきてしまいましたが、15分くらい離れていました。この道をまたスーツケースを転がして歩くのかあ…ちょっと難儀。自由旅行はこういうとこが面倒ですよね。

しかし荷物を受け取る前に、明日のエジンバラ行きの夜行バスのチケットを買うことにしました。
私たちは今回、湖水地方とスコットランドを車で見てまわる予定なのですが、オックスフォードの友人と話したところ、
「ロンドンで車借りると高いよ。1番安くつくのはエジンバラで借りること。エジンバラを中心にして南と北に行ったら?」
とアドバイスされ、それに従うことにしたのです。で、エジンバラに行くのに1番安いのが夜行バス。列車の半額くらいで、ホテル代も浮くという…これも友人のアドバイスなのですが(笑)
10時半発のエジンバラ行きを予約。夜行なんて寝れるのかなあ?と不安でしたが、夫の話によると(経験者)それなりに居心地良く、トイレもついているとか。まあ、やってみるしかないですね。

ようやく荷物を持ってB&Bに到着。しかしもう5時半過ぎで、早くしないとコインランドリーが閉まってしまいます。B&Bのオーナーに場所を聞いて、洗濯物をまとめて急いで部屋を出ました。
コインランドリーは5分位のところにありました。が…既に終了して鍵がかかっていました。6時までと書いてあって、まだ6時前なのに。まあ、こんな時間ぎりぎりじゃ、洗濯が終わりませんけど。

仕方がないので、中華料理のテイクアウェイでも買って部屋で食べることにしました。(部屋にはさすがファミリー用。ちゃんとテーブルと椅子があったのです。)2人とも風邪でハナ水ずるずるのくしゃみ連発なので、少しでも早く帰って早く寝た方が良いと判断したのです。それに、今日はブランチしか食べてなくてお腹も空いていたし。
しかし、歩けど歩けど、いかにもありそうな感じの店が並んでいるのですが、中華料理屋はありません。夫が「あすこの道で見た」というので行ってみましたがありませんでした。
「あれえ?ここじゃなかったかなあ?」
うー。あやふやな記憶で歩かせないでくれぇ。結局、中華料理屋はありませんが、何故かインド料理の店は多かったので、カレーをテイクアウェイして帰りました。もう何でも良いから、早く帰りたいって感じの私でした。

クスリ部屋に着いてすぐに夕食。食べ終わったら今日買った薬を飲んで、早くお風呂に入って寝ようねー、と改めてクスリを見ました。
「これ、水かお湯に溶かせって書いてあるよ」
「え、粉薬じゃないの?」
「…」
すっごく苦かったらどうしよう…。
「口直しのジュースを買ってきてあげるよ」
夫はすぐに部屋を出て、すぐに帰ってきました。「これで飲もう!」
まずは夫が毒味?…続いて私。コップ1杯の水に溶かしたイギリスの風邪クスリは、レモンの皮のような味がして、口に妙な後味が残りました。これで風邪が良くなる良いけど。

疲れたのでちょっとベッドに横に…なったら、寝てしまって起きたら9時(夜です。)でした。見ると夫も寝ています。(やっぱり疲れてるのねー。)
で、シャワーを浴び始めたのですが、これが寒い!!何しろ、部屋の中でただ単にシャワーカーテンだけで区切られているだけですから、蒸気がたまりません。お湯のあたっていないところは、すぐに冷たくなってしまいます。
「ふみぇ〜ん、騙されたぁ」
それでも必死で体にシャワーを当てて、上がった時には疲れてしまいました。皆さま、気を付けて下さい。シャワーはやっぱり狭い空間の中にないとダメです。

夫がシャワーをあびている間に、ジーンズにはき替えてトイレへ。やっぱり不便です…トイレがないのって。しかも、こういう時に限って夜中にトイレに行きたくなっちゃうんですよねー。はあ。←しっかり起きました。でも夜中だからパジャマ姿(笑)

イギリス 1997/09 :9月10日(水)

1997年9月10日

B&Bの朝食を食べるため、8時に起きてB1Fに行きました。そこはテーブルが3つしかない小さな部屋で、泊まっている人が入れ替わり立ち替わりして朝食を食べていました。
いるのは日本人のカップル1組と日本人の女性2人組…ここは日本人宿か。 そう、そうなんです。昨日「何で日本人が予約の電話を入れてくるのか?」と疑問に思って地球の歩き方を見たら、しっかりこのB&Bが載っていたのです。私たちは本に載っているのも知らずに、自らの足で捜したB&Bと信じてたんですねー。まあ、良いんですけど。
途中から私たちのテーブルには、白人女性が来ました。出てきたもの(目玉焼きとか、茹でトマトとか、ベーコンとか)をすべてトーストに乗せて食べるのには、ちょっとビックリ。こうやって食べるのがポピュラーなのかしら?

10時にチェックアウト。私たちは洗濯をしなければいけなかったので、荷物を置かせてもらえないか?と頼んでみたのですが、明るく
「ダメ、ダメ。チェックアウトは10時って言ったでしょ?」
と言われてしまいました。ケチ…。

仕方がないので、スーツケースをガラガラ転がしてコインランドリーへ。
中には、痩せた黒人女性と、ちょっと太めの白人女性(旅行者って感じでした)がいて、洗濯をしていました。私たちも、と洗濯機を見たら£1と20Pコインが2つ必要でした。
「細かいのないから、そこのセブンイレブンで買い物して崩してくるよ」
夫が出ていったので私は中で荷物番をしていました。すると、そこに太った白人女性が洗濯に来て(現地の人、しかも常連という感じでした)、洗濯機の中に山ほど洗濯物を入れて、奥にいた黒人女性から洗剤を買って入れました。どうやら、この黒人女性はここの管理人のようです。
「くずしてきたよ」
早速、今手にいれたばかりのコインを入れようとしましたが、何と1枚の20Pコインの大きさがあいません。これで洗濯機動くのかしら?
「それじゃダメよ」
黒人女性が覗きこんで言いました。
「新しい20Pコインは使えないの。全く、すぐ変えるんだから、困ったものよねえ」
「でも、これしかないんです」
困った私たちは、救いを求めて彼女に言いました。
「知らないわ。私の知ったことじゃないわ」
な、なんだ、このババア。私たちは客だぞ。
「私があるから、かえましょうか?」
さっきから座って乾燥機の終わるのを待っていた白人の女性が、声を掛けてくれました。「ありがとうございます!!」ようやく洗濯機を動かすことができました。管理人のババアは(オイオイ、呼び名が変わってるよ)、つまらなそうに外に出ていってしまいました。何なのよー、いったい。

「まあまあ、そこのイスにでも腰掛けて」
ムッとした私に気付いて、夫がそう言いました。ところが座ってすぐ、あのババアがコーヒーを持って帰ってきて、私の座っている横のテーブル(これがまた灰皿とかよれた雑誌とかで汚いのだ)に置くとこう言いました。
「私の場所よ、どきなさい」
すごすごとどく私。何かなあ…まあ、でもいつもここに座ってるんだろうしな。何か理由があって日本人が嫌いなのかも知れません。というのも、白人女性が終わって帰る時はにこやかに挨拶したくせに、後から来た日本人の女性2人組や私たちには全く無視なんですから。もう2度と来るかぁー!と思い、コインランドリーを後にした私でした。

またまたビクトリア・ステーションに荷物を預けに来た私たち。ガラガラと(道があんまり良くないので、マジでうるさかったりします)スーツケースを転がします。

天気が良くて、かなり暖かいのですが、ハナ水が止まらず相変わらずくしゃみ連発の私は、厚着でした。朝またクスリを飲んだのですが、余り効かないようです。一方で、夫はかなり良くなったみたいですが。
「風邪、よくならないねえ。病院行く?」
えー、海外で病院に行ったことなんてないよー、それにせっかくの新婚旅行でそれはないんじゃない。…と思いましたが、ふと成田で保険に入ったことを思い出しました。もしかして、治療費タダ?

夫が明日のレンタカーの予約を、ビクトリア・ステーション駅近くのハーツでしている間に、成田でもらった保険の説明冊子を熱心に読みました。
やはり治療費はタダです。 しかも、ロンドンには日本語でOKの病院がありました。せっかく高い保険料を払ったんだから、今のうちに治療を受けてクスリをもらった方が良いかもしれません。それに、1度くらい海外で病院に行くというのも良いかも…?
「病院、行こうかな」
「行く?だったら電話して予約しよう」
最初は英語で出られて驚きましたが、「日本語で良いですか?」と聞いたら、途端に日本語に。症状を話して、4時45分に予約を入れました。何となく、一安心。なんか、風邪も良くなったような…?。

まだお昼前だったので、今日はこれからロンドン観光をすることにしました。
と言っても、2人ともそこそこロンドン滞在経験があるので、既に観光地は行き尽くしていて、特に行きたいと思うところがありません。(セント・ポール大聖堂は大好きなんですが。)
「どこに行く?」
「んー、Momi博物館に行きたい」
通称Momi、映像メディアに関する映像博物館です。ここは1988年に開館したそうで、私がいた頃は出来たばかりでまだガイドブックに載っていず、行ったことがなかったのです。実は昨晩、しっかりチェックしておいたのでした。
「ん。良いよー」
地下鉄に乗って、最寄り駅のエンバークメント・ステーションに行きました。

しかし、駅からが遠い。なんと、博物館はテムズ河にかかるあの長いウォータールー橋を渡らないといけないのです。うう、騙されたぁ〜。まあウォータールー橋からの眺めは、なかなか良かったんですけどね。(映画「哀愁」の舞台になった橋です。)

博物館を見終わり、さすがにもうあの長い橋は渡りたくないので。、バスに乗ってオックスフォード・サーカスへ出ました。そこでお腹が空いたのでピザを食べて、次にナショナル・ギャラリーへ行きました。
お目当ての絵は数点だったのですが、以前来た時とは場所が違っていてどこにあるやらよく分かりません。あちこち動きまわって捜して見ている内に、病院に行かなくてはいけない時間になってしまいました。
次にどこかに行かなくてはいけないと思うと、ゆっくり鑑賞が出来ませんね。それがちょっと残念でした。

さて、ところで病院の場所がよく分からなかったりするんですが。ヘンドン・セントラルって…かなり外れかも??
「ヘンドンって、知ってる?」
「え、ヘンドン?そこって、ボクが留学してた時に住んでいたとこだよ」
何という偶然!

夫に連れられて、ノーザン・ラインに乗りヘンドン・セントラル駅に着きました。時間は4時40分過ぎ。予約の45分まで数分しかありません。
「おお、懐かしいぜ!」
「そんなのは後にして、病院!病院!」
しかしさすが元地元民?真っ直ぐ病院の場所に連れて行ってくれました。時間は50分になりそうな時間。ギリギリ、セーフか?。

病院中に入ると、すっかり日本の病院(ちょっと大きい町医者)という感じでした。ロビーにいた患者さんは2、3人。奥の受付で予約の旨を伝えると(日本人でした)、2枚の書類を手渡されて、呼ぶまでに記入して下さい、と言われました。
1枚は「どんな症状ですか?いつからですか?」といったいわゆる問診票。もう1枚は、保険の書類で、治療代はタダだよん、サインしてね、というものでした。(すべて日本語でOK)
イギリス滞在先の住所は不明なので(何しろ転々としていましたから)、そこだけ無記入にして出したら、
「前日のホテルでも良いから、部屋番号まで書いて下さい」
と言われ、再提出しました。 これがないとクスリを処方できない決まりなんだそうです。

しばらくして名前を呼ばれたので、診察室に行きました。夫はお留守番。中には、日本人の優しそうなお医者さん(歳は30半ばか?)が座っていました。
「どうしました?」
「飛行機の中が寒くて風邪をひいたのか、こちらに来てからくしゃみとハナ水が止まらなくて…」
「花粉症ですか?」
「いえ、違いますが…?」
「最近、多いんですよね。ロンドンで天気が良くなると、かなり空気が汚れているので、そういう症状になる人が。最近、とても天気の良い日が続いているでしょ?」
ほぉ、それは知らなかった。
「熱はありますか?」
「ないと思いますが」
と、ペタッとおでこにシールのようなものを貼られました。これで熱がはかれるのかな?不思議に思って聞いてみました。
「だいたいしか分からないんですけどね。じゃ、これくわえて」
微熱と出たのか、結局、体温計を口に入れられました。でも、熱はなし。
「喉もそんなに腫れてはいませんねえ…」

「御家族で病気をされた方いますか?」
「えーと、父親が糖尿病。母親は血圧が高くてクスリ飲んでます」
「最後に生理のあった日は?」
「7月が×日だったので、8月は×日ですね」
「何日周期ですか?」
「28日です」
おいおい、こんなことまで聞くのかい。
「妊娠の可能性は?」
「ありません」
「お酒飲みますか?煙草は?」
「飲まないし、吸いません」
「旦那さんは?」
「しません」
うーん、こんなことまで必要なのかしら?と思いましたが、しっかりカルテにそれぞれの質問の答えを書くところがあって、どうやら決まった質問みたいでした。

「観光ですか?」
「そうです」
「じゃあ、眠くなるクスリはイヤですよね?」
「はぁ…眠くなるんですか」
「イヤですよねえ。観光なんだから」
念のため昨日買って、昨晩と朝に飲んだクスリを見せました。
「これ、飲んでたんですけど」
「ああ、これねえ。これは、あなたの症状には効かないと思いますよ」
ガーン!そ、そうだったのか。
「では、1日1回で良い眠くならないクスリを出しておきますね。これで良くならなかったら、また来て下さい」
「はい」
と言ってはみたけれど、今日ロンドンを発ってしまうので、次にロンドンへ来るのは一週間先。もうこのお医者さんに会うこともないのだろうなあ…。

「終わったよん」
「早かったねえ」
処方箋をもらって、入り口近くの薬局カウンターへ。そこは、何故か英語でした。(日本人じゃなかった。)
クスリも貰って一安心。これで私の症状もぐんと良くなることでしょう。

「このへんに住んでいたの?」
クスリももらって安心して病院を出た私は、改めて夫に聞きました。
「うん、住んでいたのはバスでもう少し先のところなんだけど、学校がこの近くにあったんだ」
ここは夫が青春時代を過ごした街のようです。

「あそこにファースト・フードの店があって…そうそう、あそこ!よく行ったよぉ」
「懐かしい?学校、行ってみる?」
「え…いいよ。知っている人がいるワケじゃないし」
そう言いつつも、わき上がる当時の情景に「一緒に勉強してたヤツら、元気かなあ」などとお喋りが止まらない夫です。

「地下鉄を使っていたの?」
「いや、バス。ロンドンまで繋がってるバスで…そうだ、ロンドンまでバスで外を見ながら帰ろうか?」
「どこがバス停か覚えてる?」
「えーとね、あ、ここだよ、ここ!そうそう、懐かしいなあ」
すぐにバスが来たので、それに乗りました。

「ホームステイ先に行く?」
「いいよ。 バスから見えるし」
「じゃ、教えてね」
しばらくいくと鉄橋が見えました。
「あ、あそこ、あそこ。アドレス××の…」
アッと言う間にバスはそこを通り過ぎてしまいました。ロンドン近郊にはよくあるタイプの家で、花壇に花がいっぱい咲いていました。あそこに夫は住んでいたのね。
「まだ、(ホスト・ファミリーは)住んでいるの?」
「わかんないなあ」

しばし、当時の話を夫から聞きました。ご飯をどうしていたとか、どこそこにこんな店があるとか。
「まさか、またここへ戻ってくるとは思わなかったなあ…」
…。
「しかも結婚して、妻を連れて戻るとは…」
そうだね、結婚なんてまだ全然考えることすらなかった頃だもんね…。

やがてバスはロンドンのにぎやかな場所に入り、道が混んできました。途中でバスを降り、オックスフォード・サーカスから聖ポール大聖堂へ。しかし生憎、5時を過ぎていたので閉まった後でした。観たかったんだけどなあ…。
近くに日本書専門の本屋さんがあったので、夫はここでヨーロッパドライブの本を購入。これがまた、高かった。
「何で日本で買っておかないのよー」
「反省しました〜」
ああ、こういうところで無駄使いが…。

10時半のエジンバラ行きの夜行バスまではまだ時間があったので、ピカデリー・サーカスに行って中華街で中華料理を食べることにしました。
外に出ているメニューを見ながら、どこのお店にするか決めます。「何が言いかねえ」「あ、これは」
スープ、酢豚、野菜炒め、チャーハンがセットになったコースがありました。値段もまあまあ。ここに決めることにしました。

席に案内されメニューを渡されます。
「さっきのセットで良いよね?」
「うん。あと、パインジュースが飲みたい」
「え、飲み物、取る?」
どこに食べに行っても必ず飲み物をちゃんと頼む夫が、迷ったように言いました。
「飲まないの?」
「うーん…お金あんまりないからなあ…」
現金化して持ってきたお金は、思いのほか早くなくなり、4日目にして3分の1くらい遣っていました。2人だから遣うのも倍なんですが、その感覚がいまいちなく、急に不安になったのです。

結局、2人して飲み物のオーダーもしたのですが(支払いはカードにしましたし)、私は思わず言ってしまいました。
「学生の旅行じゃないんだから…」
「え…?」
確かに私も学生時代に海外を1人で旅行した時は、お金がなくて食事のかわりにスナック食べたり、安いテイクアウェイを捜したりしました。でも今は2人、しかも社会人です。良いレストランで食事したい、贅沢したいとは言いませんが、一般庶民が利用するレストランで、食べたいものをお金がないからと我慢するのはちょっと淋しい気がしたのです。
「でもさ、手持ちのお金がなくなるのが早くて」
「うん、私が思っていたのはさ、ホテル関係、移動関係と食事関係はカードで、現金は観光代やテイクアウェイの食事代…お小遣い程度に考えていたから」
「なるほど」

しばらく他の話をしながら食事していました(ここの酢豚は絶品!今まで食べた中で1番美味しかったです!)が、夫がぽつりと言いました。
「でもボク、フリーの貧乏旅行しか知らないんだよ」
…うん、私も贅沢旅行を知っているワケじゃないけどね。別に新婚旅行だからとか言うんじゃなくて…年齢的なモノもあって、学生の頃のような無茶も聞かなかったりするし…。
「…もう、学生じゃないんだね」

10時にビクトリア・ステーションに着き、30分後にはエジンバラ行きのバスに乗りました。明日の朝7時にはエジンバラに着く予定です。

イギリス 1997/09 :9月11日(木)

1997年9月11日

バスに揺られ、エジンバラに向かいます。バスに乗ってすぐに眠り始めた私たち。時折買い込んだ水を飲んでは、ひたすら寝まくります。それなりの居心地、と聞いたバスは、ほとんど普通のバスと変わりなく思えました。でもとにかく寝ます。

エジンバラのコーチ・ステーションに着いたのは、予定より1時間も早い6時でした。早過ぎる〜!ひとまずバスを降りて、スーツケースをごろごろしながら、駅のトイレを捜します。

エジンバラのコーチステーション「トイレマークはあっちだね…あ」
シャッターが下りていました。朝早すぎてトイレも閉鎖されている??そ、そんな〜。
「他のトイレを捜そう」
しかしそこも閉まっていました。がーん、がーん…こんなことならバスのトイレに入ってから下りれば良かったです。でも既にバスはいないし。荷物が一緒であちこち歩いて疲れたので、駅の待合い室に入りました。(待合い室が開いていて、何でトイレが開いてないのよ〜)夫はこれからどうやってハーツ(レンタカーのお店ですね)に行ったら良いのか、そっちを気にしています。実はここが街のどのへんなのかよく分からないのです。でも私はそれよりトイレです。
「も1回捜してくる」
見ると次のエジンバラ着のバスが来ていました。これはもしかして…やっぱりトイレのシャッターが開いていました。さっきは早すぎたんですねー。

さっぱりしたところで(ははは)列車のエジンバラ駅を目指して移動することにしました。メイン・ステーションならハーツがあるに違いないからです。街はまだ7時前なので車も人も少なく、何か別世界。建物もロンドンなどに比べて何か暗い感じで、ますます異国に来たという思いが高まります。
駅でハーツを見付け行ってみると、8時からの営業と張り紙がありました。やっぱり…仕方ないので駅の待合所に座って時間をつぶします。さすがにここは、もう列車が動いているせいもあって人が結構いました。
それにしても悲惨なのは私の格好です。昨晩はお風呂に入ってないし、ろくに顔も洗ってないし、もちろんノーメイク。寒いのでストールを巻いて座っている姿は、まるでホームレスです。<言い過ぎ?とても日本人には見えないでしょう。
何だかんだで8時になり、ハーツに行きました。これで荷物運びから解放されます。が、夫は何か言われて戻ってきました。
「予約したのはここのハーツじゃないから、こっちの支店に行けって」
手には簡易な地図が握られていました。お〜〜〜〜〜い。

車またもや荷物を持って大通りへ。(エジンバラの駅は地下にあるので、荷物を持って移動するのはすごく大変なのです。)しかしどこにあるのか地図が適当で分かりません。通勤時間になり、街は急ぐ人であふれています。
「ピカデリープレイスだって言うんだけど」
「そんなのないよ」
大通りをスーツケースをごろごろ転がしながら、一つ一つ通りの名前を見て歩きましたが、そんな名前はありません。大通りに面してないのかも。
「今度はあっちに行ってみよう」
ちょっと待った!こうやって無作為に歩いて捜す気なの?
「誰かに聞いてみようよ」
「もう少し捜してからにしよう」
「荷物運びながら捜すのは大変じゃない」
「ボクが運ぶから大丈夫だよ」
そーゆー問題じゃなくてだねえ…無駄に疲れることもないじゃない?

結局、交差点に立っていた女性にピカデリープレイスを聞きました。案の定、行こうとしていた方向とは逆、危ないところでした。しばらく歩いたらまた分からなくなりました。
「あの道路工事している人に聞いてみれば?」
「えー。ああいうのは地方から来てるから、知らないんじゃない?」
「聞いてみなくちゃ、分からないよ」
思っていたのとは全然違う方向を教えてもらいました。何と、まあ、駅から遠いこと!絶対に私たちだけじゃたどり着けないだろう場所でした。聞いて良かったでしょ?>夫。

9時近くになってようやく予約したハーツに到着。すぐに車を借りられました。荷物をトランクに詰め、早速、イングランド随一の自然美を誇る湖水地方へ出発です。
「道、分かるの?」
「さっき地図を買ったから」
夫の手元にはしっかりと道路マップが握られていました。うーん、ここは私がしっかりとナビをしないと…と思ったのですが、夜行バスでやはりよく寝れなかったのか、単調で真っ直ぐな道路と暖かい車内にいつしかうとうと。
「寝てて良いよ。シート倒れるから、横になって寝な」
という夫の言葉に、ぐっすり眠り込んでしまいました。

パブ目が覚めたのはお昼前、カーライルという街に着いた時です。
「お腹空いたから、ここでご飯食べよう」
車を駐車場に入れて、街を歩きます。まずは銀行でトラベラーズ・チェックを現金化して、ツーリスト・インフォメーションへ。と言ってもここは通過地点で、特に観光をする時間はないのですが。
「今日はどこまで行くの?」
「うーん…ケズウィックまで行って、今日はそこに泊まろうか?」
ケズウィックは、湖水地方北部の中心となる街です。

お昼をするのにお店を探しますが、何故かレストランがありません。捜している場所が外れているのかも?ようやく見付けたのは、ランチをやっているパブでした。
「ここで良いかぁ」
お酒を飲まない私(夫もほとんど飲みません)には、こういう閉鎖的な?(という感じがします。)場所は、とっても入りにくいです。何か、常連さんしかいないような気がして。中に入ると案の定、観光客らしいのは私たちだけでした。しかも白人ばかり。
「何、食べる?」
壁に書いてあるメニューを見て、カウンターで注文します。テーブルに座って待っていると、持ってきてくれます。私が食べたのはハンバーガーでしたが、あふれるばかりのポテトが。美味しかったです。

B&Bまた車に乗り、ケズウィックへ。今度はたくさんの羊を見ながら、飽きずに(眠らずに(笑))過ごすことができました。皆、黒い顔ではむはむしていて、可愛い!
B&Bが多くなり、3時にはケズウィックの街に到着。車でB&Bを捜すのかしら?と思っていたら、車を駐車場に止めてツーリスト・インフォメーションへ。ここで紹介してもらことにしました。
「トイレとバス付きで」←これは大事だ(笑)
「ツイン?ダブル?」
「どっちが良いかな」
私は、どっちでも良いよ。
「じゃ、ダブルで」
紹介してもらったのは、ここからすぐ、2人で£36(8千円くらい)でした。安い〜、やっぱりロンドンのような都会と違います。しかも部屋も可愛くてグッド!即座に気に入って、
「ここなら何泊しても良いなあ」
という夫の言葉に、ここを拠点にして湖水地方を巡ることにして、3泊することにしました。駐車場がないので「車はどこにとめたら良い?」と聞いたら、「どこでもさ!」と言われたのもおかしかった。大らか?なんですね。ま、おかげで道は路駐の車で両側ともビッシリ埋まっていて、運転しにくいことこの上ないのですが(笑)

ストーンサークルまだ時間が早かったので、ケズウィックに来る途中に見かけたストーン・サークル(ストーンヘンジと似たようなものです)に観光に行きました。いやあ、遠い、遠い。歩くと2時間かかるそうですが、車がないときついですね。夫が運転できて良かった。まあ、できなかったら来ていませんけど。

戻る途中から天気が悪くなり、宿に着いた時はすっかり雨。夕食はケズウィックの街を歩いて、イタリア料理を食べました。支払いはもちろんカード。
今日は移動で疲れたので、念願のシャワーを浴びて、早く寝ることにしました。明日から、湖水地方をまわります。

イギリス 1997/09 :9月12日(金)

1997年9月12日

部屋からの眺め朝の支度をしていた8時45分、B&Bの人に「準備出来たから早く下りてきてね」と急かされてしまいました。 そういえば、朝食は8時半から食べられるよ、と言われていたんだっけ。何かやっぱり田舎、家庭的な感じ。
外に面した1Fの小さな部屋に、テーブルが3つありました。私たちは窓際へ…外が見え、残念ながら雨が降ってます。でもそんなに暗くはないから、晴れるかも??山の天気は分からないからねえ。
朝食はしっかりとしたイングリッシュ・ブレックファストでした。食べたい人はシリアルもOK。ジュースも完備されてます。マッシュルームが良い味でした。

10時に車で出発。雨はまだ降っていますが、小雨です。サール湖の横を通りながら、グラスミアという街を抜け、ウィンダミア、ボウネスという街へ。小雨、曇り、日が差す、という事を繰り返しながら、ウィンダミア湖へ着いた時はすっかり良い天気でした。
ここはピーターラビット発祥の地?で有名なところです。ピーターラビットの世界がそのまま生きています。湖には鴨や白鳥がいて、餌をもらって食べていました。白鳥の餌付け…うーむ、魅力的です。

人形車は湖の駐車場に止めて、坂を上りピーター・ラビットの作者、ベアトリクス・ポターの世界を観に行きました。なかなか大きい建物で、ポターを紹介したフィルムや、お話のフィルム、それぞれのお話を人形にした展示など…。残念ながら私はポターの作品を読んだことがないので、展示を観ても「小さくて可愛い!」くらいの感想しか出ないのですが、一緒にまわっていた異国の観光の人は、子どもの頃に読んで当然知っているお話なのか、かなり盛り上がっていました。
もう少し、勉強しておけば良かったかな…。

ウィンダミア湖に戻り、ぼけっとしていたら、「船に乗らないか?」と声を掛けられました。聞けば、1時間くらいのコースらしい。他の船はもっと長いコースだったので、勧誘にのって乗ってみる事にしました。
「もうすぐ出るから、すぐ乗ってくれ!」
おいおい。 慌ててチケットを買い、船に乗りました。かなり大きい遊覧船です。ここからアンブルサイドまでのクルーズです。船に乗って気付きましたが、日本人が全然いません。皆、どこへ行っているのかな?晴れてかなり暑くなりました。
アンブルサイドに着きましたが、特に観るものもないので(笑)、すぐにまた船に乗ってウィンダミアに戻りました。帰りは甲板に出ず、船内でうとうと…暖かくて気持ちいいです。

バターミア湖お腹が空いたので、ウィンダミア湖のそばにあったお店で、フィッシュ&チップスを買いました(テイクアウェイ)。何を隠そう、実は私はフィッシュ&チップス初体験!。(以前イギリスにいた時は、何故か食べる機会がありませんでした。)
夫が持ってきたのを見てビックリ!フィッシュって、小さい魚のフライだとばかり思っていたんですが、どーんと大きい魚のフライだったんですね!でも塩加減が良くて、良い味。
食べ始めてすぐに白鳥が1羽、餌を求めて近寄ってきました。でも、餌なんて持ってないよ〜、フレンチフライ食べる?と1本差し出したら、指めがけてパクッ!
「きゃ!」
こりゃ、いかん、食われる。とそそくさとその場を後にした私たちでした。

さて、ピーターラビットの故郷、ヒル・トップのニアソーリーの村に行かなくては…ちょうど湖の向こう側になります。
「あれぇ、車じゃ行けないなあ。」
いざヒル・トップに出発という段になって、地図を見ていた夫がつぶやきました。ちょっと、ちょっと、さっき行けるって言ってたじゃないのさ。
「ほら、ここ。ウィンダミア湖を渡らないとダメだよ」
んー…じゃ、どうするの?早くしないとヒル・トップの観たい博物館が閉まってしまいます。何しろ、こちらときたら観光地のくせに観光ポイントはことごとく5時で終了、しかも入館は4時半までなんですから。
「あ、フェリーがあるよ」
「え、車でフェリーに乗るの?」

フェリー乗り場はそこからすぐ近くでした。何台か車が道なりに並んでいます。車でフェリーに乗るのが初めての私は、ちょっとワクワクしていました。大きい船がきて、それに乗せて行くのかなあ?
しかし実際のフェリーはいかだの大きいヤツ(と言ってもちゃっちいものじゃありませんでしたが)みたいな形で、順に車をはじから詰めて乗せるというものでした。私たちの車は1番前だったのですが、気が付いたら動いていて、道路が動いているという感じ??目的の反対岸はぐんぐんと近付いて、アッと言う間のフェリーでした。
「あ、時間がないよ、早くしないと閉まっちゃう」

ヒル・トップ
やや急な狭い道を登ると、すぐにヒル・トップの表示が見えました。
「あ、あれあれ!」
しかし車を止める場所が見付けられず、そのまま進み、狭い道なのでそのままずーっと…。おいおい、どこに行くんじゃい。
ようやくUターンできる場所を見付けてヒル・トップに戻って来た時は、4時半ちょっと前。ヒル・トップ表示の駐車場に車を止めて、建物の中に入りました。しかし、ピーター・ラビット関係のグッズのお店はありますが、お金を払うような展示物がありません。???
仕方ないので、ヒル・トップの村ののどかな様子と自然をながめて、車に乗りました。(ホントはこれが正しい観賞法かもなあ…。)#後でガイドブックを見て分かったのですが、ヒル・トップの開館は土〜水、私たちが行った木曜日はお休みだったんですねー。ひどいー(笑)

もう5時近かったので、閉館してしまったのは分かっていたのですが、ヒル・トップから北に車で10分くらい先にある、ベアトリクス・ポター・ギャラリーを観に行きました。ここは小さな街になっていて、お土産屋さん以外にも普通のお店が並んでいました。

ベアトリクス・ポター・ギャラリー念のため行ったギャラリーはやっぱり閉館。8時くらいまで明るいのに、5時で閉まってしまうのはねえ…。#後でガイドブックを見て分かったのですが、ギャラリーの開館は日〜木、次の日にまた来てもお休みなんですねー。ひどいー(笑)

またフェリーに乗って帰るのかと思いきや、夫は車を走らせ、さっき遊覧船で来たアンブルサイドへ。そのまま走ってボウネスに戻ってきました。
なんだ、車でも来れるんじゃない。ま、海じゃなくて湖なんだから、反対側に行けないワケがありませんけど。

時間的にまだ早かったのですが、ここでご飯を食べる事にしました。入ったのは、インド料理の店(笑)空いていたのですが、ここは食べ物の出てくるのが遅かった…オーダーしてからゆうに30分以上は待たせてくれました。隣りにいた家族連れなどは、最初に頼んだ飲み物を飲み尽くしてしまって、さらにもう1杯頼んでいるし、子どもなんて飽きて走り回っています。(これがイスを倒すわ、カーテンをひっぱるわ…食べ物が来た時は余りの汚しように、隣のテーブルに移っていた程。)
私たちも余りの遅さにお腹がぐーぐー。これが普通なのかしら?何で誰も文句を言わないの??と頭の中にクエッションマークが飛び交ってしまいまいた。料理の味は、まあまあでしたけど。帰る時に「美味しかったですか?」とニコニコして聞かれ、「また来て下さいね」と言われました。
ああいうものなのかなあ…。

今日は疲れました…。早く帰って寝る事にします。(まあ、私は時折、車の中で寝ていたのですが(笑))

イギリス 1997/09 :9月13日(土)

1997年9月13日

今日は、ホームページを見た方から教えて頂いた、バターミア湖へ山登りをするべく出発しました。生憎と天気は雨…でも時々青空も見えるので、また晴れるかもしれないと期待しつつの出発でした。

宿泊しているケズウィックの街から直接バターミア湖へ向かったのですが、夫は道が分からず、同じようなところをぐるぐる。1度道に入ってしまうと、なかなかUターンするような広い場所がないので、戻るのにも時間が掛かってしまいます。
「バターミアって表示、あるよ?」
「いや、ボクの行きたいのはこの道じゃないんだ」
どうやら夫には決めたルートがあるようです。しかし私は「余り時間がないんだから、どこから行っても良いのにぃ」と思っていました。何しろ、昨日も書きましたが、5時には閉まってしまう土地柄です。たらたらしてたら、アッと言う間に時間が過ぎてしまいます。
「あ、あった、これだよ、ここを通りたかったんだ!」

そこにはフォレスト・トレイルの表示がありました。
「景色がさ、キレイそうなんだ」

景色途中、非常に眺めの良い場所があり、写真を撮りました。(天気が今ひとつだったんですが。)これを見たかったのねえ…>夫。
そしてバターミア湖に到着。ここから峠の頂上にあるユースホステルに車を止めて、山登りの予定です。ユースには無事、着いたのですが、これがまたすごい雨と風!+あまりの寒さに、登頂は断念しました。すごく残念でしたが、ユースからの眺めも素晴らしかったです。

雨が吹き付けるように降り、すっかり車から出られなくなりました。こうなったら屋外は諦めて、屋内の観光地をまわるしかありません。と言っても、あまり観るものが…道々に記されている観光ポイントの表示につられて車を入れてみましたが、わざわざ観たいほどのモノがありません。
「ダブ・コテージでも行く?」
湖水地方は、イギリスの誇る自然詩人、ワーズワースが生まれ、生涯を過ごした場所でもあります。昨日も博物館の前は通ったのですが、「興味ないし、知識ないしねー。」と素通りした場所でした。
「うん、別に良いよー」

グラスミアのダブ・コテージに着いた頃は、雨も小降りになっていました。チケットを買って、まずはワーズワース博物館へ。やっぱり興味も知識も全然ないので、観ても全く分かりませんでした。
次のダブ・コテージも流し観かなあ?と思いつつ入ると、何とここはツアーガイド付き!十数人のグループになって、英語でべらべら説明されながら、狭い館内をまわりました。余りの英語のシャワーに、終わった時はぐったり…なかなか面白い話はしてくれていたんですけどねえ。
疲れたので、併設されていた喫茶でスコーンを食べながら休憩しました。このスコーンが大きくて、味も良く、グッド!雨がまた降ってきました。天気が悪いと観光に困ります。

さて、どこに行こう?
「どこかお城を観たいねえ」
と夫。お城かぁ…どこか近くにお城はないかなあ…ツーリスト・インフォメーションでもらった観光案内の冊子を捜す私です。
「あ、ケンダルの近くにあるよ!シザー城ってのが。まだ4時で間に合うから、行ってみよう!」
ケンダルは、湖水地方の東の入り口にあたる街です。(ちなみに私たちが宿泊していたケズウィックは、北部の中心地。結構、離れています。)

車を走らせて、シザー城へ。ケンダルの街を左にして、しばらく行くとシザー城の表示がありました。あった、あった。時間は4時20分…急げば、4時半の最終入場に間に合うぞ!
「…」
休みでした。よく見るとオープンは日〜木、今日は金曜日。
「…えーと…」

しかしせっかくケンダルの街まで来たので、街を観光して行こうと中心街へ入りました。なかなか大きい街です。
「あのお城みたいのは何だろう?」
「教会じゃないの?」
「行ってみよう!」
しかし駐車場が分からず、気が付いた時は通り過ぎていました。Uターン出来ないよー、と言っている内に、繁華街に入り、何かお祭りでもやっているのか車が渋滞…ほとんど動けなくなりました。ようやく抜け出たとこで、夫が前の道に戻ろうとしたら運悪くまた繁華街へ。
「もう良いよ、帰ろう」
と拗ねる夫を説き伏せて、さっき見たお城みたいな教会みたいな建物にようやく着いた時は既に5時。博物館か何かのようでしたが、ちょうど閉められた後でした。もう、何やってんだか。

もう観光するようなところもなくて、仕方なくボウネスの街に戻り、そこで広東料理?(中華料理なのかなあ…よく分からない味でしたが、スープは美味しかったです)を夕食に食べて、帰りました。
小雨だった天気も、また雨に変わりました。羊がたくさん放し飼いで飼われているのですが(石垣で境界はあります)、雨でもそのまま、暗くなってもそのままでした。もしかして夜もこのままなのかなあ…。
今日は1日、私は疲れて車の中でくーくー寝ていた日でした。それ+観光が上手くいかなかったせいか、夫がちょっとご機嫌斜めなよーな?

イギリス 1997/09 :9月14日(日)

1997年9月14日

今日はとうとう湖水地方を離れ、スコットランドへ戻る日です。昨晩、相談して午前中にケズウィックにあるペンシル博物館の見学をして、その後グラスゴー(スコットランド第2の都市)に向かうことにしました。

朝食はB&Bの1Fのお部屋…今日は土曜日のせいか満室で、テーブルはお客さんでいっぱいでした。(日本人はいなかったです。)空いていたのは、2日連続で座った窓際のテーブル。英国人(老まではいきません)夫婦が座っていたので、声を掛けて相席をお願いしました。
外はまた雨…そして同じ朝食のメニュー。イングリッシュブレックファストはこういうものなんでしょうが、さすがにちょっと飽きてきました。
「雨、やまないねえ」
「起きた時は晴れていたんだけどなあ」
…。
「今、天気の話をしていたんですよ、雨がやまないなあって」
人見知り知らずの夫が、英国人夫婦に話しかけました。

「どこから来たの?」
「日本です」
なんて、ありきたりの会話の始まり。英国人夫婦はこの近くの街に住んでいるらしくて、週末を利用してこのB&Bに泊まりにきたようです。
「こちらは渋滞がないから良いですね。東京はすごいですよ」
「渋滞なんて経験したことがないから、そんなことがあったら大変だろうな」
「ぜひ日本に来て下さい。桜の季節、4月がお薦めです」
それなりに盛り上がってました。私は無口…。言っていることはだいたい分かるんですが、やはりちょっと訛があって聞きにくいような?
「では良い1日を」と先にテーブルを立った私たち。部屋を出る時に「ナイスピーポー」とか言っている声が聞こえました。もう会うこともないんでしょうねえ…。

あひる荷物を車に積んで、予定通りペンシル博物館へ。駐車場には何故かあひるが放し飼いになっていました。(並んで歩いていて、可愛かった。)雨も止んでどんよりした天気です。
ペンシル博物館は、鉛筆の出来るまでを視覚的に展示していて、色鉛筆の色の作り方や、たくさんのペン先で作ったオブジェ?、カリグラフィーなどがあって面白かったです。特に、スノーマンが出てきて鉛筆工場の説明をするムービーは最高。思わず、鉛筆屋になろうかと思ってしまいました。(でも、こう思ったのは私だけでしたが。)

ペンシル博物館を出て、ツーリスト・インフォメーションで売っていた羊の縫いぐるみを買おうと車を走らせましたが、道に迷い、偶然にもコインランドリーにぶちあたりました。空いていて、しかも清潔そうです。急遽、洗濯をすることにしました。
車の中からスーツケースを出し、洗濯物を出します。このコインランドリーには洗剤もちゃんと売っていて、さらに隣はスーパーだったので、お金をくずすのも簡単でした。ラッキー。
洗濯機は横にぐるんぐるん回るタイプでした。洗濯物を入れて、お金を入れて、洗剤を入れようしましたが、投入口が2つあって、どちらに入れれば良いのか分かりません。
「一つは柔軟剤だよね?こっちかな」
前の分の洗剤が残っていたので、そちらに洗剤を入れ、スイッチを入れました。まわる、まわる。しばらく眺めていました。

「ねえ、泡立ち、悪くないか?」
…そう言われれば…でも、こんなものかも知れないし…???そうこうする内に、洗濯機はすすぎに入ってしまいました。
「汚れ落ちないんじゃ、意味ないよー」
うーむ…じゃ、どうするの?ここまでしたのに。
「隣のに入れ替えよう!」
えー。結局、洗剤を買い直し、また洗濯のやり直し。しかし結局のところ、洗剤の投入口はあっていて、単に2度洗いしただけの結果となりました。泡立ち悪いだけなのね。夫は脱水の終わった洗濯物を出しながら、嬉しそうに言いました。
「ちゃんと、石鹸の匂いがするよ」

無事に洗濯も終わり、インフォメでお目当ての羊のぬいぐるみも購入して、ランチにフィッシュ&チップスも食べた私たちは、一路グラスゴーへと向かいました。
湖水地方にさよなら…だんだんと道路の回りに木がなくなって、高速道路に乗る頃には単調な真っ直ぐな道路が続くのみとなりました。天気も良くなり、車の中はぽかぽかして私はうとうと…。「単調な運転で眠くなる」という夫が寝ないように私も起きていなければ、と思ったのですが、気が付くと寝ている始末でした。結局、熟睡。ごめんよー>夫。

グラスゴーが近付いた頃、起こされました。今まで見ていた景色と違い、高層ビルがたくさん並んでいます。さすが、グラスゴーは工業都市です。
「でも何か、黒っぽくて汚れているって感じだねえ」
ちょっと裏通りに入ると、ガラスが割れた廃墟ビルがあったりして少し怖い感じもします。
「とにかく、車をどっかにとめて宿を捜そう」

駅の近くの立体駐車場に車をとめ、人通りの多い繁華街へ出ました。宿は、またツーリスト・インフォメーションで紹介してもらうつもりです。紹介料が掛かるんですが、何も分からないところで自力で捜す時間のロスを考えると、こっちの方が良いと思ったからです。
「インフォメどこ?」
「そこの通りを左かな?」
ガイドブックを見ながら探し歩き、ビルの中に入っているツーリスト・インフォメーションを見付けました。

グラスゴーの町中に入ると奥にカウンターがあって、整理券をもらって呼ばれてからホテルを紹介してもらえるようです。しかし空いていたので(ホテル捜している人はいなかった)、番号札をもらうとすぐに呼び出しが。私たちが行ったカウンターには、美形のお兄さんがいました。
「ホテルをお願いしたいんですが…」
「良いけど、手数料が掛かるよ?ホテル案内の冊子は持っている?」
「持ってませんが」
「じゃ、あげよう。これで自分で予約した方が、手数料が掛からなくて良いよ」
はぁ…有り難いけど、商売っけないなあ(笑)

インフォメの2Fにグラスゴー見所の展示があり、座るところがあったので、そこで冊子を見てどこにするか決めました。
「こういう都市だから、B&Bじゃなくて、ホテルが良いなあ。」
「あと駅からあんまり離れてない方が良いよね」
「どっか良いトコ、ある?」
うーんと…その間にも夫はハナをかんでいます。湖水地方が寒かったせいか、夫はすっかり鼻風邪状態です。私は病院のクスリを飲んだせいか、すっかりよくなったのですが。

悩んだ末、タワーホテルに決めました。実際に行ってみて、部屋と値段を確認しないといけません。でも地図が曖昧で、ハッキリと場所の確認ができません。インフォメを出ると、夫が言いました。
「多分、こっちの方だと思う」
えええ、歩いて行くの?車じゃないの??
「すぐそばだと思うから」
しかし、歩けど、歩けど、ホテルのある通りの名前は出てきません。駐車場からかなり離れてしまいました。おまけに坂の町らしく、上りがきついです。
「うーん、近くまで来てると思うんだけどなあ。あの坂を上ってなかったら諦めよう」
ちょーっと待てぇ。闇雲に歩くのはもう止めようよぉ。

グラスゴーの町私の説得に、夫は「じゃあ、電話で予約しよう」と言い出しました。近くの公衆電話を見付けて、電話。
「2人で£50だって。良いかな?」
うん、別に良いのでは?
「ツイン?ダブル?」
どっちでも良いよ。
「ダブルでお願いします」
あっさり予約が出来ました。あれ…何で最初から電話で予約しなかったんだろ…?<私たち。

駅に戻る途中、トイレに入りたくなり、公衆トイレに入りました。男女別に分かれていて、地下にあるんですが、下におりると人影が。もしかして、チップ?。
ヨーロッパはご存知のように?トイレに管理の人がいて、使う度にチップと称した使用料が必要です。小銭を持っていなかった私は、ドキドキしてしまいまいた。きゃー、トイレの横に小部屋があって女の人がいる〜。 どうしよう。
しかし彼女はニッコリ笑って「ハイ!」と言っただけでした。(イタリアなんかだとチップを請求されます。)あ、チップはいらないのね。でも、何でトイレの横にこんな立派な小部屋があるんでしょう…やっぱり管理する人のためですよね?
謎でした…。

駐車場にとめた車を取りにいくため、駅に向かった私たちですが、途中でタワーレコードを見付けました。
「あれ、見ていく?」
あれというのは、ダイアナ元妃のために歌ったエルトン・ジョンのCDの事です。先日イギリスで発売になったのですが、ロンドンではアッと言う間に売り切れで手に入らないとニュースで言っていました。(1人で10枚以上のCDを買っている人がたくさんTVに映ってました。)グラスゴーならあるかと思ったワケです。
「…売場自体がない」
どうやらここでも売り切れのようです。帰るまでに手に入るかなあ…。

「それはそうと、めぐのジャケットを買おう」
「え…」
「これからスコットランド、もっと北の寒い方へ行くんだから。湖水地方でも寒い、寒いって言ってたでしょ?」
「え〜、いいよぉ。」
「ダメ、ダメ!寒くて車おりれなかったら、全然楽しくないじゃない?」
というワケで、駅の側の大きいショッピングモールに入りました。

せっかく買うのだから、日本でも着られるデザインでないとイヤです。そう思うとなかなか良いのがありません。お店を4、5つまわりました。
「上に行ってみよう」
夫はこういう事には熱心です。私1人だったら、面倒だからいいや、ととっくに諦めていたでしょう。
「ああ、あれが良いんじゃない?」
夫が指さしたのは、1つだけ残った黄の色がきれいなジャケット。デザインも良いです。これなら、日本でも着れそうです。
「でも1つしかないね。これ、ちょっと汚れているよ」
裾の辺りが少し黒っぽい…展示されている間に汚れたのでしょう。お店の人に「汚れているので、替えられますか?」と聞いたら「これ1つのみです」との返事。仕方ないですねえ。 どうせこれから旅行で汚れるし、日本でクリーニングすれば落ちるだろう、って事で結局購入することにしました。やはりパッと見て気に入ったモノを買わないとね…。

このジャケットがわりと暖かくて、私はこの先、ほとんど寒い思いをすることがありませんでした。ありがとう>夫。

駐車場に車を取りに行き、そのまま真っ直ぐにタワーホテルへ。やはりかなり離れていて、あのまま歩いて捜そうとしなくて本当に良かったです。 部屋はなかなか広く、B&Bじゃない、ホテルだというのを実感!
「何か、落ち着くねえ。ホテルにこんなに落ちつけるとは」
ホテル好きの夫は嬉しそうでした。さて、そろそろ夕食の時間です。実はこのホテルには駐車場がなく、裏にある一般の駐車場にとめてあるため、繁華街まで出るのはかなり面倒です。(ホテルから駐車場代の援助は出てます。)
「疲れて早く寝たいから、ホテル内で食べる?」
「うん、それで良いよ。」
ホテルのレストランはなかなかキレイで、味もまあまあだったです。ちなみに私の食べたのはラザニア。レストランの横に、ジュースの自動販売機もありました。

食事が終わって部屋に戻り、私はシャワーへ。あがるとすごく暑かったので、
「ジュースが飲みたーい!」
と夫に言いました。夫は「うん」と行って、自動販売機へ行くために部屋を出ました。しかし、戻ってきた夫の手にはジュースはなく…。
「50P入れた途端に、動かなくなって壊れちゃった。…ごめんね」
良いけど、そのままにしてきて、大丈夫なの…?

イギリス 1997/09 :9月15日(月)

1997年9月15日

今日から、いよいよスコットランドめぐりに向かう私たちですが、実は夫は学生時代に来たことがあります。
「1人で来たの?」
「いや、男友達と2人。同じくレンタカーして、ネス湖の方まで行った」
「どうだった?」
「貧乏だったからね、車の中で野宿したりとかしたよ。エジンバラで買ったコーヒーにあたって、ゲロゲロになってトイレから出られなくなったり…

「でも、すごく楽しかったなあ。それに、景色がすごく綺麗でね。本当に感動したんだよ」
「湖水地方は?湖水地方も綺麗だったよ?」
「うん、そうなんだけど…湖水地方も本当に綺麗なんだけど…ボクはスコットランドの景色を観た時に、こんなに素晴らしい景色があったのかぁ!って思ったんだ」
「どこが違うの?」
「うーん…スコットランドの方が、景色が近い、のかな」

タワーホテル「それでね、いつだか友だちと、新婚旅行はどこに行きたいか?って話をした時に、ボクの妻になる人にはあのスコットランドの美しい景色を観せてあげたい、と思ったんだ」
「…」
「それがボクの夢だったんだよ」

男の人の方が女性よりうんとロマンチストなのかもしれない、そんな風に思えました。

ホテルはB&Bと違って朝食が付いていないので、朝はゆっくり寝てしまい、グラスゴーを出発できたのは11時…。かなり疲れがたまってきているようです。朝はひどく降っていた雨も、ホテルを出る時にはやんでいました。(とは言え、天気は良くないようです。)
「どうやって行くの?」
「景色の綺麗そうなとこを走って、行けたらインヴァネスまで行こう」
地図を見ると、湖がいくつかあり、そのまわりを道路が囲っています。かなりの距離がありそうですが、大丈夫なのかしら?

湖で最初に見えた湖は、ロッホ・ローモンド(ロッホは湖の意味です)、ローモンド湖です。ここはスコットランド1大きい湖で、全長40キロ、三日月形をしています。イギリス1美しい湖と言われ、妖精が今も生きていると言われているそうです。
駐車場に車を止めて、外に出ました。小雨が降っていて少し寒いです。ツーリスト・インフォメーションがあったので中に入りました。
「日本人がいないねえ」
「車がないから、ここまで来れないんだよ」
なるほど。そういえば、バスも電車もここに来るには不便なようです。一瞬晴れた隙をついて(笑)、写真を撮りました。しかし実のところ、綺麗とは言っても湖、ずっと観ているのにも限界がありました。

また車で走り、ローモンド湖の端にある観光ポイントで一休み。そこには軽食スタンドがあったので、そこでバーガーとジュースを買って車の中で食べました。(時折、小雨が降ってました。)ちゃんと目の前で焼いてくれるので、スタンドとはいえ、なかなか美味しいです。後ろには発電所がありました。水力発電…なのかなあ?
いくつかの湖を横目に走り、いよいよ夫が最も感動したというスコットランドの景色、グレンコー(グレンは峡谷の意味です)へ向かいます。

途中の道天気は雨が降ったり、曇ったり、晴れたりの繰り返しでした。しかし車の中は暖かいので、私はついついうとうと…。綺麗な景色になると夫が起こしてくれる、というパターンが定着していました。
   夫と旅行していて良い点1:車の助手席で寝ていても文句は言われない
私も起きていようとは思うんですけどね、気が付くと寝てるんですよ、これが(笑)

しかし車がどんどんと北上し、グレンコーに入る辺りから、景色はぐんと迫力が増してきました。夫の言っていた景色が近い、という意味が分かりました。今まで観た景色は、遠くにあって綺麗、という印象でしたが、ここは景色の中に入り込んで綺麗なのです。美しい景色の真ん中に道路がひかれ、そこを走っているという感じです。
「すごい、すごい、すごい綺麗!」
「だろ、だろ?これを見せたかったんだよ!」
夫はまるで自分のもののように得意げです(笑)
ところどころ見通しの良い観光スポットに車をとめましたが、雨が降っていてちょっと見通しが悪いところもあり、残念でした。多分、もう少し我慢してそこにいたら、晴れる時もあったのだと思いますが、ひどい時はかなりの雨です。

小雨の中、車を走らせていると、空気中に雨がカーテンのようになってキラキラするところがありました。
グレン・コー「見て、見て!あれ、すごく綺麗!!」
儚げな雨のカーテンはゆらゆらとして、しばらくして消えました。とても幻想的な景色でした。(車も全然いないし…。)
「あ、虹だよ」
空に虹が掛かってみえました。雨と晴れの繰り返しが多いせいか、こちらでは割と頻繁に虹を見ることが出来るのです。
「すご〜い、端から端までちゃんとある虹って、初めて見たよ」
こうして夫が見せたかったグレンコーが、私にとっても特別な場所になったのでした。

グレンコーを抜けた時は既に夕方で、今日はとても目的のインヴァネスまでたどり着けそうもないので、途中にあるフォート・ウィリアム(小さい街で、いわゆる観光スポットというようなものは一つもありません)で宿を取ることにしました。

フォート・ウィリアムに向かう途中で見付けたツーリスト・インフォメーションに、トイレを借りるがてら寄ったら、ちょうど閉めるところでした。時間は5時半。
しかし親切なお兄さんは私たちを中に入れてくれて、フォート・ウィリアムで宿を取りたい話をしたら、「フォート・ウィリアムのインフォメは6時まで空いているから、そちらで紹介してもらった方が良い」と言われました。ここから20分くらいというお話。お礼を言って、私たちは急ぎ車に飛び乗りました。

フォート・ウィリアムはリニ湖(私はずっと海だと思っていました)に面している街です。リニ湖を左手に何とか街に入り、駐車場に車をとめて、インフォメに入りました。すごい混雑です。
フォート・ウィリアム
「エンスイート(バス・トイレ付きのこと)でホテルを」
「ツインですか?ダブルですか?」
「どっちが良い?」
どっちでもいいよ。
「じゃ、ダブルで」
紹介してもらったホテルは、何とインペリアルホテル!!でも値段は田舎のせいか、とても安かったし、普通のホテルでした(笑)

すぐにチェックインを済ませ、車を裏の駐車場に入れて、荷物を運ぼうとした時に、また雨が降ってきました。
「荷物はボクが持つから、行っていいよ」
「えー、重いのにぃ」
「いいから、いいから」
ホテルの中に入ってビックリ。何と、部屋は上の方なのに、エレベーターがありません。結局、夫がスーツケースとボストンバックを持って、はあはあしながら運びました。
   夫と旅行していて良い点2:荷物を運んでもらえる。
部屋に着いた頃にはぐったり…ちょっと休憩。しかし早く寝たいので(疲れてるんですねー)、早くご飯を食べに行くことにしました。

ハンドバックを持って部屋を出ようとした時、夫がとんでもないことを言い出しました。
「あれ…車のキーがない」
ポケットじゃないの?と捜したがありません。まさか…。
どうやら荷物を運ぶのに夢中で、キーを付けたままにしてきたようです。慌てて階段を下り、駐車場に向かいました。そこには雨にうたれてドアが開け放たれている私たちのレンタカーがありました。

「きゃー。ドアまで開いてるよー」
荷物を運ぶのに夢中で、鍵をかけないどころか、ドアまで開けっ放しにしていたようです。盗まれるようなものは置いていなかったので、盗難はありませんでした。(車本体を持って行かれる…という恐れはありましたが、さすがにこんなに大胆に開けて遠くへ行くとは思わなかったかな。)
「良かったねえ」
「イスがびしゃびしゃ…」
運転席のドアが開いていたので、座席が濡れていました…あ〜あ。

気を取り直して、リニ湖の側に魚介類のお店があったので、そこへ向かいました。(車で5分ほど。)しかし、駐車場がいっぱいで車を止められません。湖水地方と違って路上駐車には厳しいので、簡単にそこらに止められないんですよねえ。
30分程ぐるぐるしましたが、止めるところが見付からないので、仕方なくホテルに戻りました。ホテルの側にもお店がたくさんあるので、歩いていけるお店に行くことにしたのです。やっぱり路駐しながらだと、気が気じゃないですから。
で、行ったお店がインドカレーの店(笑) 中華にするかカレーにするか悩んだのですが、近かったカレーにしました。

何度かイギリスでカレーを食べて思ったのですが、こちらのカレーは基本的に辛くはないようです。基本的にというか、標準は辛くない。ミディアムを頼むと甘いくらいです。今日食べて、それがよ〜く分かりました。次回は、ちゃんと頼めそうです。

お腹もいっぱいになったので、帰りに酒屋でジュースを買いました。夫はお風呂上がりに冷たいものを飲むのが楽しみなのです。
そしてお風呂上がり、悲劇は起こりました。ジュースの缶を開けて、ベットの横に置いた夫は、TVをつけようと立ち上がった瞬間。
「うわぁ、やばっ!」
缶が倒れ、スプライトのほとんどがベットの上に流れたのです。慌てて拭いたけど、もちろん手遅れ。ベットがびしょびしょになってしまいました。色が付かなかったのがせめてもの救い?

「ダブルが狭くなっちゃったよぉー」
がーん…そうか、私にもとばっちりが来るのか。しかし何で夫は毎回必ず、ダブルにするんでしょう、ツインのがのんびり寝られるのに。でも、今回に限ってはダブルで良かったです。シングルベットに2人はさすがにきついですからねー(笑)

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